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酒田駅近くの観光情報

羽越本線が乗り入れるJR酒田駅は、山形県庄内地方の主要都市、酒田市の中心駅です。酒田市は、江戸時代に大阪と蝦夷地（北海道）を結ぶ北前船が寄港し、「西の堺、東の酒田」と称されるほど大きく繁栄した港町。市内には、江戸期や明治期の建造物が残る街並みや、当時に流れ込んだ文化を楽しめる観光スポットが点在しています。
酒田駅から南に車で約10分。明治時代に建てられた米保管用倉庫・山居倉庫（さんきょそうこ）は、ケヤキ並木や石畳と織りなす趣ある景観が魅力のスポットです。倉庫の一部は、おみやげ店やミュージアムをそろえた観光施設として活用されています。
国の登録文化財建造物「舞娘茶屋・雛蔵画廊 相馬樓（まいこちゃや・ひなぐらがろう そうまろう」は、駅から車で約6分です。繁栄とともに京から入ってきた酒田舞娘の演舞は、水曜日以外の14時からはじまります。相馬樓ホームページで事前に予約しておけば、舞娘弁当を味わいながら楽しめますよ。
市内は他にも国指定史跡「旧鐙屋（きゅうあぶみや）」や、北前船の復元船もある桜の名所・日和山公園など、港町として栄えてきた当時の歴史を思わせる見どころがいっぱいです。それぞれ距離が離れているため、観光スポット巡りはレンタカーがオススメ。本間家旧本邸や本間美術館など、酒田の大地主・本間家ゆかりのスポットにもぜひお立ち寄りください。

酒田駅近くで人気の観光スポット

日和山公園

山形県で日本海を眺めるなら、酒田市の「日和山（ひよりやま）公園」を訪れてみることがおすすめです。日和山公園は港町の風情を残す歴史公園で、園内を散策すると、港の繁栄を感じさせる多くの遺物を目にすることができます。かつては米の積み出し港として栄えた酒田港ですが、幕府の命により江戸に米を直送することとなりました。「河村端賢（かわむらずいけん）庫跡」は、当時つくられた御城米置き場の記念碑として建てられたものです。ほかにも、航海安全を祈願してつくられた常夜灯、風の方角を確かめる方角石、船からの荷物を運んだ石段神明坂など、港町として栄えた当時の様子が感じられます。当時活躍した船を2分の1のサイズで復元した千石船は、公園のシンボル的存在になっています。
日本海に沈む夕日の眺めはまさに絶景です。暮れゆく空と趣きのある六角灯台、日本海の波が、なんともいえない旅情をかきたててくれるでしょう。また、日和山公園は日本の都市公園100選にも選出されており、桜まつりも有名です。ソメイヨシノをはじめ約400本の桜が咲き誇ると、園内は鮮やかな桃色に染まります。ライトアップされた六角灯台も、いつもと違う表情を見せてくれます。また、酒田市は松尾芭蕉をはじめ多くの文学者が訪れた土地でもあります。文人たちが酒田で遺した作品の一部は文学碑とされ、公園内に「文学の散歩道」として置かれています。名作に触れながら散策を楽しんでみるのもおすすめです。
最寄りの酒田駅より車で約5分、駐車場も完備しています。ゆっくりと散策したり夕日の眺めを満喫したりするのなら、時間を気にする必要のない車での訪問がおすすめです。

玉簾の滝

「玉簾（たますだれ）の滝」は、山形県内で最も落差のある滝としても知られています。神のお告げにより弘法大師が発見、命名したとされており、滝そのものがご神体として崇められています。駐車場から歩くこと約10分、63ｍの高さから流れ落ちる滝の景観は壮大です。水しぶきや豪快な滝の音を全身で浴びながら、自然のパワーをもらうことができます。滝つぼの周りに生い茂る杉の木からも、神聖な雰囲気を感じることができます。夏場でもひんやりと気持ちよく過ごせますが、寒い冬にも見どころがあります。気温が低くなると滝が凍り、氷瀑を眺めることができるからです。神秘的な光景には、寒さを忘れて見入ってしまうでしょう。季節によって異なる表情を見せてくれるのも玉簾の滝の魅力です。大型連休やお盆には期間限定でライトアップも行われるので、夜間の滝を眺めたい方は開催期間を確認して訪れてみてください。
なお、玉簾の滝は「御嶽神社」の境内にあり、滝を目指して歩く途中にもいくつかのパワースポットを目にすることができます。弘法大師が座禅をしたという座禅石や、神社の御神木である千年杉などからも神々しい力が感じられ、大自然のパワーに圧倒されることでしょう。
玉簾の滝がある御嶽神社は山の奥まった場所にあり、車で訪れるのが最もスムーズです。駐車場には産直販売所もあり、地元の新鮮な野菜や山菜を購入もできます。酒田駅からは40分ほどで行けるので、ドライブを楽しみながら目指してみてください。

鳥海ブルーライン

「鳥海（ちょうかい）ブルーライン」は、総距離が34.9kmあり、山形道酒田みなとICから国道7号線を経由し秋田方面へ向かうと、鳥海ブルーライン入口まで約15分です。山形県と秋田県にまたがる山岳道路なので、ドライブコースとしておすすめです。山形県遊佐町から秋田県にかほ市まで観光用のバイパス道路として作られた道を走れば、数々の絶景を楽しむことができます。どこまでも広がる鳥海山麓を見れば、まるで自動車のCMのような爽快感を味わえるでしょう。
新緑や紅葉を眺めたり、残雪を横目に車を走らせたりと、四季折々の景観が楽しめます。水芭蕉の群生地やブナの原生林など、鳥海ブルーラインならではの見どころも満載です。大平山荘付近には展望台も設置されており、休憩がてらゆっくりと景色を満喫するのもおすすめです。夜のドライブを楽しみたい方は、ここで満天の星空を眺めてみるのもおすすめです。庄内平野や山々の眺望も魅力的ですが、青く広がる日本海の眺めも素晴らしいです。天気がよければ男鹿半島や佐渡島を望むことができるほか、日本海に沈みゆく夕日の絶景も楽しめます。秋田県に入ると「奈曽の白滝」や「元滝」といったスポットもあるので、滝のマイナスイオンを全身で浴びてリラックスできます。
季節や時間帯によってさまざまな表情を見せてくれる、鳥海ブルーライン。雄大な自然の開放感を感じながらのドライブは、家族や恋人、友人との素敵な思い出になるでしょう。10月下旬から4月下旬までは閉鎖されているので、開通期間中に近くを訪れる方はぜひドライブを楽しんでみてください。

旧鐙屋

「旧鐙屋（きゅうあぶみや）」は、山形県酒田市に栄えた廻船問屋の家屋です。廻船問屋とは廻船をもち物資輸送をしていた海運業者のことで、江戸時代には日本海の海運業の重要な役割を担い、のちに町の政治にも参画するようになりました。繁栄の様子は井原西鶴著の「日本永大蔵」にも記されています。
1984年には、国の指定史跡として認定。庄内地方のオーソドックスな町屋造りを残しており、石置杉皮葺屋根の屋敷となっています。1845年に大火により被害を受けましたが、その後再建され、1998年の修復作業ののちに一般公開されるようになりました。家屋の内部は土間に面して十間ほどの座敷が並び、当時の鐙屋の繁栄や暮らしぶりを感じることができます。帳場や茶の間、台所、井戸など、まるで大河ドラマの世界に入り込んだような感覚が味わえます。土蔵は資料館となっており、商売の道具や屋根の造りなどを展示しています。
また、旧鐙屋では期間限定で特別展を行うこともあります。過去には酒田や全国のひな人形を集めた「ひな街道特別展」や、かんざしや櫛を紹介した「女性の装い展」などが開催されました。訪問の際には、展示内容を事前に調べて行くことをおすすめします。施設自体の駐車場はありませんが、近隣の市役所の駐車場を利用することができます。庄内空港からは車で約20分、酒田駅からは車で約5分の立地にあります。酒田市散策の際は地元の名家の歴史を学びに訪れてみてはいかがでしょうか。