【東京・マークスライフ】事故物件や相続物件などの不動産売却支援に特化し、社会の課題解決に全力

「世のために。人のために。」の理念を掲げるマークスライフ株式会社の花原 浩二社長

マークスライフ株式会社(花原 浩二社長)は特殊な事情を抱える不動産の売却支援に特化し、全国対応の体制を整えながら、多くのお客さまの課題解決に取組んでいます。

人が亡くなった物件、いわゆる事故物件を取扱う「成仏不動産」をはじめ、離婚を検討している夫婦に不動産の最適な売却方法を提示する「中立不動産」などのサービスを通じ、持続可能な不動産の再生と社会貢献を展開中です。

花原浩二社長は、「世のために。人のために。」の理念を掲げ、不動産の可能性を追求し、世の中の困りごとを解決するために、業界内で敬遠されている難解な問題にチャレンジ中です。

「人が亡くなることはごく自然であるからこそ、人が亡くなっただけの不動産は自然に取引されるべき」と語るマークスライフの花原浩二社長に話をうかがいました。

マークスライフ株式会社

花原 浩二社長

目次

「成仏不動産」で事故物件取引の正常化へ取組む

マークスライフの日本橋本社

――マークスライフ株式会社様の会社概要からお願いします。

花原浩二氏(以下、花原社長)

総合不動産業を営み、本社は東京都中央区日本橋に構えており、対応エリアは全国で、一都3県のほか、宮城、群馬、静岡、愛知、大阪、福岡の各県に支店を設置、2025年夏には札幌支店と熊本支店もそれぞれオープンする予定です。

「成仏不動産」サービスでは、人が亡くなったいわゆる事故物件を扱っております。弊社では、心理的問題によりイメージが下がってしまった事故物件の本来持っている不動産そのものの価値を見出し、市場に正しく流通させるサービスを展開しております。

具体的には、事故物件を買い取り、リノベーションなどで付加価値をつけて、事故物件に抵抗のない人のもとへ届ける仕組みをつくっています。

このほか、離婚物件を扱う「中立不動産」、建て替えが出来ない再建築不可物件などを扱う「負動産の総合病院」サービスも行っています。

三井住友信託銀行など多数のアライアンスを実施

――最近、三井住友信託銀行様と業務提携契約を結び大きな話題になりました。

花原社長

弊社は2025年4月1日付で、顧客サービス拡充を目的として三井住友信託銀行株式会社と業務提携契約を締結させていただきました。今後法人とのアライアンスにもシフトしてまいります。

三井住友信託銀行の顧客層は70代で、不動産の売却相談に対しては、子会社の三井住友トラスト不動産株式会社で扱われていました。その中でも人が亡くなった不動産、地方の不動産など難しい物件についてのご相談は弊社の専門性や全国対応力を活用して、解決することができるのではないかと考え、提携をさせていただきました。

――こちらの提携は信頼度向上の観点からも大きな意味を持つのではないでしょうか。

花原社長

弊社も三井住友信託銀行との提携は信用力が大きく増したと考えており、このほか大きな企業との提携を水面下で進めている最中です。

2025年3月1日には、心理的瑕疵物件や空き家、特殊案件など、対応が難しい不動産課題に対する解決策を提供するため、分譲マンションなどの不動産総合管理会社の大和ライフネクスト株式会社と提携をさせていただきました。

全国規模で豊富な管理実績を持つ同社と連携し、両社の専門性を活かすことで、心理的瑕疵物件や空き家の適切な管理と利活用を推進し、より多くの方が安心して不動産を売却・活用できる環境を整えます。

――他の提携先はどのような企業でしょうか。

花原社長

すでに提携した企業ではエネルギー会社があるほか、総合病院や、大手の葬儀会社とも業務提携をさせていただいております。ご相談いただく物件の中には、地方の空き家、別荘地、山林や田んぼといった一般的に取引きの難しい不動産もありますが、しっかりと対応をさせていただいています。

愛知県蒲郡市と連携で空き家利用促進にも取組む

――地方自治体との連携はいかがでしょう。

花原社長

この点は強化していきたいと考えています。弊社は2024年10月に、愛知県蒲郡市とサービス、ノウハウを活用し、空き家の流通・利活用の促進を目的に連携協定を締結しました。

今回の連携協定により、蒲郡市の空き家活用の促進をはかることはもちろんのこと、現在空き家で困っている他地域との連携も積極的に取組んでいく予定です。

少子高齢化や人口減少が進む中で、地方の空き家は大きな課題です。弊社はこうした社会課題に対して、不動産サービスを通じて持続可能な解決策の提供を目指していきます。今回の取組みを皮切りに、地域の皆様とともに住環境の改善を進め、より良いコミュニティの創造に貢献してまいります。

阪神・淡路大震災や父の急逝が大きな転機に

大学入学直前に阪神・淡路大震災の経験を経て大手ハウスメーカーへ

――さて、話はやや変わりますが起業への想いについてお願いします。

花原社長

私は大学入学直前の1995年1月に阪神・淡路大震災を経験し、地震に負けない家づくりをすることが人命を救うことにつながると考えました。神戸の流通科学大学に入学し、神戸の街の復興と共に大学の4年間を過ごし、1999年4月に新卒で大和ハウス工業株式会社に入社しました。

入社後、過去に大和ハウス工業が手掛けた街が数十年の時を経て住民が高齢化・町が過疎化している実態を目の当たりにし、「新しくつくる」一方で「再生し活用する」ことも大切だと思い始めました。

不動産業界では今ある問題へ対応することは難しい。理由は、単価が小さく利益を出しづらいからです。さらに申し上げれば、地方には相談すら受け付けてもらえない物件や、手出しをしないと売却できない物件もあります。そのような地域の物件をお持ちの方や、過疎化した地域に住まわれている方々は本当に苦労されていらっしゃいます。

そう考えるとものづくりだけではなく、今ある物件を大切にし、空き家問題を解決することの重要さを実感します。また、2013年7月に父の急逝により自身の人生を見直し、自分が亡くなる瞬間に「やり切った」という人生を歩み、他人から感謝される人生を進みたいとの想いが強まり、弊社を創設しました。

――阪神・淡路大震災では実体験され、大変な思いもされたようですがいかがでしたか。

花原社長

無力さを強く感じました。また、いたたまれない感じも受けまして、神戸の街はほこりまみれで、マスクをしなければ歩けない状態でした。就職先を選ぶ時に阪神・淡路大震災の実体験を思い起こし、大和ハウス工業に就職しました。

働きだすと、余計に震災の怖さが思い起こされました。当時は、震災で家が潰れ、ご家族を亡くされた方がお客様でした。鉄骨系の住宅を神戸で販売していると、いったんは仮住まいで賃貸物件に住まわれていましたが、やはりご自身の住宅が欲しいと思い直した方や、一部手直しして住み続けていた方も次は木造住宅ではなく、安心できる鉄骨住宅に住みたいとのご希望があり、私の周りに地震で被害に遭われた方が集まっていた状態でした。

「世のために。人のために。」の理念は社員全員が共感

リフォームやリノベーションにより、事故物件も再生

――一方、建てた家が空き家になり、これらの影響で起業されたようですが。

花原社長

人が住んで始めて住宅の機能を果たしますから、空き家になると、宝の持ち腐れになります。父の急逝を契機に、お金にこだわらず困っている人のためのサービスを行いたいとの思いが強まりました。

――社員全員の指標「企業理念」についてはいかがですか。

花原社長

「世のために。人のために。」を理念として掲げていますが、2024年末にこの理念に共感しているかのアンケートを社員に取ったのですが、全員から「共感する」との回答をもらいました。一般的にはめったにない事だと思いますし、それだけ理念が浸透していて嬉しかったです。

経営陣のふるまいも含めて理念は筋を通していかなければなりません。「世のために。人のために。」と理念を掲げていても、社長が高級車を乗り回して遊びまわっていれば、理念の筋が通らなくなります。

しかし、弊社では理念の筋が通り、会社のどこの部分を切り取っていても理念がしっかりと浸透し、理念に共感している人で構成されているからこそ、理念が社員全員の指標となっているのです。

不動産業界はブラックな業界と言われているからこそ余計に弊社の企業理念が際立って目立っているのです。

社員全員が共感する企業理念「世のために。人のために。」

――不動産業界はブラックな業界ともいわれていますが、筋を通した企業理念を具現化する動きを示している点についてはどう思われますか。

花原社長

私は普通のことを普通に行っており、特別なことを実施しているわけではありません。お客様に対しては正直さを心がけていますが、これは当然のことです。この当然なふるまいに対して、お客様からは、「実にいい会社だ」と評価いただけるのはありがたいです。

――社会課題の解決についても大変前向きな姿勢で取組まれていますが。

花原社長

空き家問題の深刻化が進む中、2023年の住宅・土地統計調査によれば、日本国内の空き家数は過去最多の900万2,000戸に達し、総住宅数の13.8%を占めています。この30年間で約2倍となったことが示す通り、空き家問題は社会全体で解決すべき喫緊の課題です。

人口は増えていませんから、単純に空き家をリノベーションして、貸し出す方法だけではうまくいきまん。2024年の出生数は72万988人で、統計を取り始めた1899年以来過去最少で、死亡数は161万人を超えています。

そうなるとインバウンドでの訪日外国人や外国人労働者に空き家を活用していただいたり、グループホームや福祉施設関連での利用の方法、これから2拠点、3拠点生活のありようを広げていきながら、空き家問題の解決にまい進したいです。

地方にはまだまだ価値や財産が眠っている

――そこで地方ではどのような視点をお持ちですか。

花原社長

地方でも本当の田舎に行くと、人は少なく、学校も廃校し、病院など近隣にはなにもないため、地方には価値がないといわれがちです。

私は地方だから面白いとよく申し上げているのです。価値や財産はまだまだ眠っています。その隠れた価値を見出す事業も展開していきたいですし、ともに地方の方と手を携えて頑張っていきたいです。

事故物件はすりこまれたイメージが大きい

こうした事故物件もリフォーム・リノベーションを施せば再生可能だ

――そういう中で事故物件の再生の視点ではいかがでしょうか。

花原社長

これから孤独死も増え、事故物件は増えていきます。そこで事故物件での視点で重要な点はマインドです。2020年には映画『事故物件 恐い間取り』が上映、続編映画『事故物件ゾク 恐い間取り』が2025年7月に全国放映される予定です。

単なるホラー映画を娯楽で楽しむことには問題ありませんが、一部メディアには事故物件を心霊スポットとして扱うところも中にはあります。事故物件を幽霊が出る場所として扱うことは正しいといえません。幽霊の存在について議論は一切致しませんが、弊社は、「成仏不動産」として、多くの事故物件を扱い、現場にも数多く入りましたが、社員も含め霊的な体験はしていません。

実際に事故物件に偏見のない外国人に、事故物件を霊的なスポットとして扱われていることを説明すると大変驚いておりました。

結局、すりこまれたイメージにより、事故物件を心霊スポットとして、印象付けているのだと感じています。事故物件に幽霊が出る話は、メディアによりすりこまれたイメージと受け止めており、事故物件と幽霊を結び付け、興味本位で取り上げるメディアには違和感を抱いています。

だからこそ、メディアを通じて事故物件のイメージを少しでも改善していきたいのです。

――実は長く生きている中で、私は幽霊を一度も見ていません。子どものときは幽霊に関する本を読みましたが、今は幽霊の存在は信じていません。

花原社長

弊社は多くの葬儀会社と提携しています。葬儀会社の社員から、「事故物件は幽霊が出るんですか」と質問を受けましたが、私は逆に、「ちょっと待ってください。葬儀場の方がよほど幽霊が出るのではありませんか」と返しました。それだけ事故物件イコール幽霊のイメージが定着しています。

事故物件は解体よりもリノベーションを提案

事故物件の中には解体する必要がないケースが多いと語る花原社長

――事故物件で問題な点はありますか。

花原社長

たとえば、お風呂で亡くなり、発見までに時間を要した場合、お風呂はもちろんのこと、家中に臭気が充満しているケースもあります。このような住宅を家ごと解体し、更地にされる方がおります。

冷静に考えてみればお風呂場をリノベーションすれば問題が解決することは多々あります。つまり解体する必要がないことに気付いてほしいですし、私もこの考えを伝えていきたい。

これは固定概念だと思うのです。たとえば年間、駅では毎年、約600人亡くなられているのですが、駅のホームに行くのが怖いという方はほぼおりません。同じく病院でも多くの方が亡くなられていますが、「霊が怖いから病院に行けない」などの話は聞いたことはありません。

――今後の展望を教えてください。

花原社長

当面は、他社が扱いにくい不動産や空き家解決に邁進してまいりますが、将来的には不動産にまつわるお困り事の解決を進めていきたい。私は社内では、「ライフプラットフォーマー」と申しておりますが、生活支援企業群を構想しています。

たとえば人が亡くなる直前では遺言、家族信託、片付け生前対策、お墓の購入などがあり、人が亡くなると、葬儀が終わった後には、残されたご家族が新たに生活をスタートします。そこには、不動産、保険をはじめとする各種名義変更があります。もし、事業を行っているとすれば、お子さんが正式に承継いたします。

人が亡くなると、多くの業務が発生いたしますので関連した業務を弊社が担っていきたいです。

マークスライフ株式会社本社

会社概要

社名マークスライフ株式会社
本社所在地東京都中央区日本橋本石町3-1-2 FORECAST新常盤橋4階
代表者氏名花原浩二
事業内容不動産買取事業、不動産仲介事業(売買仲介および賃貸仲介)、不動産活用コンサルティング事業
サービス一覧成仏不動産/ 葬祭事業者サポート/ 負動産の総合病院/おまもり不動産 / 中立不動産/ 海外不動産
公式HPhttps://marks-house.jp/
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