【東京・シニアジョブ】シニアの人材紹介や派遣に特化し、すべての働きたいシニアが働ける未来を

シニアジョブ 漫画プロジェクト責任者・広報部長の安彦守人氏

50歳以上のシニアに特化した人材紹介や人材派遣、求人サイトサービスを提供する株式会社シニアジョブ(中島 康恵社長)。20代の社員が中心となり、すべての働きたいシニアが働ける未来を目指しています。

自社開発のシステムを使用し、徹底した効率化とスピードで、人材紹介では施工管理技士、建築士など建設業界、会計業界、医療介護業界などの専門職、求人サイトでは幅広い職種に渡り、シニアを対象とした転職の支援を展開中です。

中島 康恵社長は、シニアの就職難という社会課題があるにも関わらずシニアを採用したい企業がある現実に気づき、その解決をライフワークとして、シニアの総合人材会社として求職者と求人企業それぞれ10万件を超える登録を達成しています。

最近では、シニアジョブが原案を担当する漫画『老後の仕事がありません!』の「MySPA!」(扶桑社)での連載に、漫画プロジェクト責任者で広報部長の安彦守人氏を中心に取り組み、好評を博しています。今回は、その安彦守人氏に話をうかがいました。

株式会社シニアジョブ

漫画プロジェクト責任者・広報部長の安彦守人氏

目次

学生起業後、シニア転職のニーズに気が付き、業態転嫁

今、シニア人材に注目が集まる

――株式会社シニアジョブさまの会社の概要からお願いします。

安彦守人氏(以下、安彦氏)

会社の登記は2014年8月です。しかし、当社社長の中島 康恵が大学4年生から起業していましたので、2013年の時点でビジネスをスタートさせていました。

中島は世の中を大きく変えるビジネスをしていきたいとの志があり、特に社会課題の解決により、未来はよりよくなると考えましたが就職活動ではその志に見合う会社と出会うことが出来なかったのです。

そこで起業に舵を切り、自ら交渉して出資者を得て、創業資金を得ました。起業する仲間も自らスカウトし、中島を含めて大学生4名が創業メンバーとなり、旗揚げをしました。

創業当初から業態転換や新規事業の追加などを経て、現在の事業内容は人材紹介・派遣のほか、求人サイト「シニアジョブ」、転職支援サービス「シニアジョブエージェント」の運営です。

――中島社長がシニア転職に注目された経緯を教えてください。

安彦氏

当初、中島は会計事務所向けのクラウド業務支援サービスを提供していたそうですが、ニーズとしては早すぎたのか苦戦。しかし、そこで営業先の会計事務所の所長から「システムではなく人材が欲しい。ベテランのシニア人材を紹介してくれないか」との話があったそうです。

当時から、シニアの就職難は話題になっていました。しかし、「シニアを採用したい」という経営者が目の前に現れたことに驚いた中島は人材業界を調査し、シニアを採用したい企業と職を求めているシニアをマッチングするサービスがないことに気が付きました。そこで、企業とシニアの架け橋になる企業へと業態転換し、現在のシニアジョブが生まれたのです。

シニア以外も支援するため新たに求人サイトを開始

2016年に現在のシニアジョブへと業態転嫁した歴史を語る安彦氏

――この事業転換はいつ頃でしたか。

安彦氏

2016年に業態転換しています。2016年時点からサービス提供しているものが、50歳以上のシニアに特化した人材紹介と人材派遣のサービス「シニアジョブエージェント」で、その後、2022年に同じく50歳以上のシニアに特化した求人サイトのサービス「シニアジョブ」の提供を開始しました。

中島は、働くことを希望するシニアすべてが就職できる未来を目指していますが、人材紹介と人材派遣のサービスは専門職が中心となり、どうしてもすべての職種をカバーすることができなかったため、幅広い職種のシニア転職を支援するために、2022年に求人サイトサービスを始めました。

幅広い職種のシニア求人が掲載される求人サイト

求人サイト「シニアジョブ」ではあらゆる職種を扱う

――今、お話にありました求人サイト「シニアジョブ」のサービスについて教えてください。

安彦氏

こちらは2022年に開始した、シニアを採用したい企業の求人を多数掲載しているサービスです。人材紹介と異なり、当社社員が企業と求職者をつなぐことはせず、求職者は自身で求人を探して応募し、企業も求人の掲載や選考を主体的に行う必要があります。

利用する方の手間はどうしても発生しますが、その分、シニア求職者にとっては様々な職種の求人を探すことができ、自分のペースで仕事探しができるメリットがあります。求人企業にとっても料金が低価格であるメリットがあります。

2024年4月現在、求人企業は求人掲載やスカウトに相当する「オファー」の使用では料金が発生しません。選考を進め、最終的に採用を決めた際に成果報酬が発生します。この成果報酬は職種・エリア・雇用形態によって違いますが、どの場合でも人材紹介の手数料より安いのはもちろん、他の求人サイトと比べても低価格である、1名採用につき2万円からとなっています。

人手不足が深刻な昨今、企業もシニア採用に興味があるものの、即戦力が期待されるために期待どおりのポテンシャルではなかった場合のリスクが大きく、採用後の活躍が見込まれる年数も若手よりどうしても短くなるシニアについて、若手採用ほどコストをかけられない企業の声は多くありました。そこで社長の中島は、徹底した効率化などによって、求人サイト「シニアジョブ」の料金を極限まで下げることで、企業のシニア採用のニーズに応えることを目指したのです。

登録後一週間で内定のケースもあるシニア専門人材紹介

有資格者のシニアの転職サポートを行う「シニアジョブエージェント」

――次に人材紹介・人材派遣の「シニアジョブエージェント」についてはいかがですか。

安彦氏

「シニアジョブエージェント」は人材紹介(有料職業紹介)と人材派遣のサービスですので、当社の社員がシニア求職者と企業とをつなぎ、転職を支援するサービスで、2016年の業態転換当時から提供しています。

取り扱う職種は、主に専門職の有資格者となっていますが、スピード感に特徴があり、早い求職者の方では登録いただいてから1週間で内定に至る場合もあります。

――各企業が望んでいるシニア像を教えてください。

安彦氏

基本的には、採用職種での豊富な経験を持つ、即戦力のシニアが望まれます。経験だけでなく、専門技術の資格などでも即戦力であることを示すことができますが、資格よりも経験が重視されます。とはいえ、今の世の中は日々アップデートしていますから、これまでの知識・経験のみを頼るのではなく、新たなことを学ぶ姿勢がどの職種でも重要となります。

働き続けたい年齢も、採用される年齢も上昇傾向

東京・新宿区のシニアジョブの事務所は若手が活躍している

――両サービスの求人はどちらのエリアが多いのでしょうか。

安彦氏

求人数は人口や企業数に比例する傾向があり、東京を含めた巨大都市を中心に広がりますが、地方を含めて日本全国で求人があります。シニア求職者の分布も同様で、求人・求職者ともに職種やその時期による特色もあって奥深いです。

――求人が多い職種を教えてください。

安彦氏

人材紹介・人材派遣の「シニアジョブエージェント」と求人サイトの「シニアジョブ」とではご支援対象の職種が異なっています。

人材紹介・人材派遣の「シニアジョブエージェント」は専門職の有資格者を対象としているため、税理士・税理士補助などの会計業や、施工管理技士などの建設業がサービス開始当初から多い業界職種です。そのほか、看護師、医療事務などの医療福祉業界、自動車整備士、最近では調理の仕事なども増えています。

一方、求人サイトの「シニアジョブ」は後から開始したサービスであることから、「シニアジョブエージェント」での支援が多い専門職の求人も多くなっていますが、すべての職種の求人を掲載できるため、介護、清掃、建設現場の交通誘導警備など、人手不足が顕著な職種について膨大な求人が掲載されています。

――両事業での手ごたえはいかがですか。

安彦氏

当社がシニアの転職支援を開始した2016年と比べて、シニアの求職者についても、シニアを採用したい企業についても、その数が大きく伸び、両者の意識も変化していると聞いていますし、私自身がシニアジョブに入社した2019年と比べても、変化が見られます。

シニア求職者が活躍し続けたい年齢も、また、企業がシニアに活躍を期待する年齢、採用する年齢も上がっています。フルタイムでしっかり働きたいシニアも増えています。シニアを歓迎する職種も拡大しています。そういった意味では十分な手ごたえを感じていると言えるでしょう。

もちろん細かい部分は職種によって異なりますが、今後もシニアと企業双方の仕事や雇用への熱意は高まり続けていくと当社では考えています。

職種によっては現役世代では現場を回せない

シニアスタッフとコミュニケーションを密に取る安彦氏

――現役世代だけでは業務を賄えないという昨今の社会情勢も相当影響しているように感じました。

安彦氏

例えば、一部の資格などでは若い担い手が増えず、さらに60代・50代すら70代よりも減少しており、争奪戦となっていることがあります。自動車整備士や建設業の施工管理技士などが該当します。

また、観光・宿泊業においても、訪日外国人の増加に人材の確保・育成が追いつかず、シニアが歓迎されています。ホテルのフロントや客室係、料理人などのほか、ホテルの送迎やタクシー、バスなどのドライバーもシニアの採用が増えています。他の層に比べ、教育の期間やコストが抑えられる即戦力であることが、シニア歓迎の背景にあります。

文句なしに面白い!!漫画『老後の仕事がありません!』

「My SPA!」で隔週金曜連載中の漫画『老後の仕事がありません』

――実は、企業が原案を作成するマンガはあまり面白くないものが多いのですが、御社が原案を作成されている、漫画『老後の仕事がありません!』は、本当に面白いです。

安彦氏

ありがとうございます。実はこの漫画の原案を担当しているのは、私です。企業が原案を作成する漫画の多くは、企業のプロモーションのツールとして企業の予算で作成するものであるため、宣伝色が強いと思いますが、この漫画はSPA!の企画でスタート・連載しているもので、私たちが予算を投じて好き勝手に宣伝に用いるものではないため、面白く感じていただけたのかもしれません。

もともと、漫画の連載が始まる前から、社長の中島が数年に渡って「日刊SPA!」でコラムの連載をしていました。この実績を通じて、編集部の方から私たちが持つシニア転職についてのエピソードや知見を感じてもらうことができ、そのアプトプットの力についても評価いただいたことが、今回の編集部の方からのお声がけにつながったと考えています。

こうした漫画による情報発信の機会は、実は私たちにとっても望ましいものでした。メディアがシニアの転職を負う場合、どうしても就職難などネガティブな背景をクローズアップしがちですが、そうした「転職できずに苦しむ姿」を取材OKしてくれるシニアはほとんどいません。まして、いち早く転職したく、焦りもあり、現在の仕事もこなす中で、転職成功までの紆余曲折への密着を許可するシニアは皆無です。誰にも知られることなく、いち早く転職したいのです。

安彦氏

しかし、漫画ならばフィクションであるため、当事者への取材ができなくとも、転職できない場面だけでなく、経歴詐称やリストラ、パワハラなどあらゆるネガティブな場面を描くことができます。そのため、取材することができないシニアの「苦境からの転職成功」などもお伝えすることができ、私たちはこの漫画への期待を持って連載を進めています。

漫画の今後の展開は、読者の方の反響や編集部の方針次第ですが、私たちは可能な限り、取材では触れられないシニアが転職で出会う場面やエピソードなどをこの漫画『老後の仕事がありません!』で発信していきたいです。

関連サイト

「My SPA!」

今なら『老後の仕事がありません』は1~3話が無料で読めます。

MySPA!
老後の仕事がありません!(試し読み) | MySPA! 週刊SPA!が運営するサブスク。未公開グラビアや「週刊SPA!」のコンテンツが満載!

――漫画では転職先がなかなか決まらない高圧的なシニアが登場しました。

安彦氏

シニアの求職者は多くの場合、採用担当や部門長、あるいはトップよりも年上です。そのため、もともと「目上」と捉えられやすく、本人にその気がなくとも「偉そう」というイメージを持たれます。そこで、転職にあたっては過剰なほど、謙虚な姿勢の意識が大切であると中島の講演やコラムでも伝えていますが、それを描写した回になります。

シニアジョブでもシニアを採用し、活躍していただいていますが、中島自身も初めてシニアを採用するまでは、「偉そう」「言うこと聞かなそう」というイメージを持っていたそうです。しかし、実際に採用するとシニアだから殊更に頑固、言うことを聞かないわけではなかったといいます。そうした人はシニアでも若手でも含まれており、世代の問題ではなく個人の資質・性格の問題だと気づいたそうです。

漫画では高圧的なシニアについて最初からそうだったのではなく、会社生活の中でそうなってしまったという描き方をしていますが、むしろ、「シニアは頑固」といったバイアスやレッテル貼りを避けることが、企業のシニア採用には重要かもしれません。

スピーカー:シニアジョブ 漫画プロジェクト責任者・広報部長 安彦守人氏、ゲスト:株式会社扶桑社 週刊SPA!編集 秋山純一郎氏、漫画家 齋藤邦雄氏による広報向けセミナー「自費出版ではない漫画企画はどのように立ち上がったのか?」がオンラインで開催された

シニアの生活全般を支援する企業を目指して

――今後の方針では。

安彦氏

働きたいシニアが誰でも就職できる未来を目指すシニアジョブですが、私たち1社の力だけで日本全国のシニアの転職・再就職をすべて支援できるとはもちろん考えていません。これまでも、他の人材会社との業務提携などを積極的に結んできましたが、今後さらに多くの人材会社とシニア転職支援でパートナーシップを組むための取り組みも進めています。

将来的には、シニア向けの教育コンテンツの提供や、シニア向けの結婚相談サービスの提供などの提供も視野に入れています。現在はシニアの生活の根幹である仕事探しのみを支援していますが、シニアの生き生きとした生活は仕事に限ったものではないため、シニアの生活全般を支援できる企業を目指しています。

会社概要

会社名株式会社シニアジョブ
本社所在地東京都新宿区大久保2丁目5−22セキサクビル8F
代表代表取締役 中島 康恵
事業内容シニアの就職支援の提供
公式HPhttps://corp.senior-job.co.jp/
運営サイトシニアジョブ:https://seniorjob.jp/
シニアジョブエージェント:https://senior-job.co.jp/
シニアタイムズ:https://senior-job.co.jp/magazine/
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