【東京・エリアリンク】 トランクルーム事業で業界最大手に成長。29年には20万室・シェア24%を獲得へ

インタビューに応じた、エリアリンク株式会社の鈴木貴佳社長

エリアリンク株式会社(鈴木貴佳社長)は、「ハローストレージ」ブランドでレンタル収納スペースを運営する「ストレージ事業」を展開し、日本全国に12万室以上を突破する業界のトップランナーだ。在宅ワークの増加やライフスタイルの変化により、利用者の需要は引き続き拡大傾向にあり、今後も市場は成長していくと見込まれる。なお、トランクルームでは屋外型と、ビル内のスペースを利用するビルイン型、一棟型がある。

2003年8月に東京証券取引所マザーズに上場し、2022年には東証スタンダード市場へ移行。中期経営計画では、2029年に向けてハローストレージを約9万室増、現在の総室数の約2倍となる20万室に引き上げ、シェアを24%に高める計画を打ち出す。エリアリンクをけん引する鈴木貴佳社長は、一気に出店を加速して業界シェアを拡大する経営目標を設定している。今回、成長と躍進を続けるエリアリンクの鈴木貴佳社長に話をうかがった。

【東京・エリアリンク】鈴木貴佳社長

エリアリンク株式会社

鈴木貴佳社長

目次

トランクルーム業界で覇権を握るエリアリンク

屋外型のトランクルーム

――エリアリンク社の会社概要からお願いします。

鈴木貴佳社長(以下、鈴木社長)

エリアリンク社は、トランクルーム「ハローストレージ」の運営が事業売上の8割を占めています。土地オーナー向けに遊休地の有効活用を提案し、トランクルームを開発し、日本最大級の店舗数を展開中です。トランクルームをはじめとする各種サービスを通じて、「より快適な暮らし」 「モノを大切にする社会」を実現できるよう社員一同奮闘しています。

――主力事業のハローストレージについて。

鈴木貴佳社長

レンタル収納スペースをハローストレージブランドとして、全国47都道府県で物件数2,790物件、室数12万2,713室、契約件数10万554件、稼働率81.9%(2025年10月時点)を運営しています。ストレージ事業は創業以来の主力事業であり、室数は業界最大規模で、シェアNO1を獲得していますが、上記の数字は単なる通過点であり、これからもさらに伸ばしていきます。

屋外型、屋内型のトランクルームをはじめ、建物1棟をトランクルーム専用に設計した店舗やバイク専用のトランクルームなど、さまざまな形でサービスを提供しています。全国47都道府県での運営は、エリアリンク社のみですので業界最大手の自負を持っています。

――トランクルーム業界はなぜ近年急成長しているのでしょうか。

鈴木貴佳社長

近年は、在宅勤務の増加、趣味・副業という多様なライフスタイルの広がりを背景に、個人・法人のお客様からのご契約も増加中です。特に都心部では、利便性を重視するお客様が多く、駅近や住宅密集地に立地する屋内型トランクルームの契約数が好調に推移しています。

一方、郊外や地方エリアでは、車でのアクセスが容易な大通り沿いを中心に、屋外型トランクルームの需要が拡大しております。また、トランクルーム利用者の利便性向上を目的にラックの搬入や組み立てを代行するサービスをはじめ、固定式・可動式のラックを備え付けた部屋など、多様な収納サポートを提供しております。

――ハローストレージのトランクルームもいろいろと種類があるようですが。

鈴木貴佳社長

まず屋外型のコンテナは、海上運送用のコンテナを利用したトランクルームで場内への車での出入りと横づけが可能で、バイクボックスを設置している物件があります。建築型(ストレージミニ)は、トランクルーム専用に設計した一棟型。空調設備やセキュリティ設備が充実し、専用駐車場も常設しています。最後にビルイントランク型は、ビルのフロアに内装を施しパーテーションを設置したトランクルームです。専用駐車場、EV、空調といった設備は、物件によって異なります。

ハローストレージの利用のトップは「仕事道具の収納」

ハローストレージの利用者傾向

――みなさんハローストレージをどのように利用されているのでしょうか。

鈴木貴佳社長

ご利用されているお客様は個人が8割で、法人が2割です。個人の方でもファミリー層が多く、生活の変化により、荷物の増加で収納される方が多いです。あるいは趣味のグッズ、さらには数千冊の本、多数のレコードの収納のためご利用されるなど多彩なご利用方法がございます。

エリアリンク社は、ストレージ事業のサービス改善、市場調査を目的に、ハローストレージの利用者に向けてアンケート調査を実施し、2025年3月に発表しました。利用用途で、最も多かった回答が「仕事道具の収納」 (30.3%)で、「引越しやリフォーム」 (29.9%)、「自宅の片付け」(19.0%)の順でした。

ハローストレージを選んだポイントは、「家・職場から近い」が約7割 (68.0%)で最も多く、「価格が安い」 (31.4%)、「設備が充実している・物件が綺麗」 (12.8%)の順で、多くのお客様は、トランクルームを借りる際に荷物を運搬する距離の近さを重視している結果となっています。

トランクルームで荷物を収納することで住宅が広くなり、ご家族との関係が良好になり、ご友人もお気軽に呼べるようになるなど、日常が良いように変化する点が大きなメリットで、社会性が高いビジネスです。

2030年には1123億円・86万室の市場規模と予測

エリアリンク社はトランクルーム業界について毎年4~5%ほどの伸長と予想

――このトランクルーム業界の動向はどうなりますか。

鈴木貴佳社長

近年では、在宅ワークの増加や家にいる時間が長くなったことから、自宅の整理整頓や荷物の一時収納場所としてトランクルームの需要が高まっています。今後成長が見込まれる国内のトランクルーム市場の実態を調査するため、エリアリンク社が国内トランクルームの初の市場調査を実施し、2023年9月にリリースしました。

大手プレーヤーを中心に、継続的に新規出店への取組みに注力しているため、ユーザーの生活圏内に利用できるトランクルームが増加し、住居スペースの狭小化によるニーズの増加と住まいの多様化などが利用者増加の後押しになり、今後もこのトレンドが続くでしょう。

市場規模として年4~5%程度の伸びが予想され、2030年には2022年の1.5倍となる1,123億円、物件数、室数はそれぞれ1万7,800物件、86万室まで増加と予想しました。エリアリンク社の「ハローストレージ」は、室数で市場全体の約18%(当社推計)を占め、業界最大のトランクルームを展開。今後とも全国で物件を開発し、2029年末までに現在の約2倍となる20万室、シェア24%の展開を目指しています。さらにその先には30万~40万室の世界線が待っていると想像しています。

――これだけトランクルーム市場が伸びる見通しを教えてください。

鈴木貴佳社長

日本ではトランクルームの知名度は高いとはいえません。トランクルーム先進国のアメリカの市場規模は約3兆円にのぼり、最新データによると世帯数の約12%がトランクルームを利用しています。

しかし日本のトランクルームの利用率は、世帯数の約1%にとどまっています。アメリカと日本の利用を比較すると12倍、イギリスとの比較では5倍です。これからの日本は住宅の狭小化により、荷物をトランクルームに置くケースがますます増えることが考えられ、今後は2~3倍の成長も現実的です。

トランクルームの利用率が高まるとともに、エリアリンク社のハローストレージの知名度も向上するようつとめます。トランクルームをご利用されることで、暮らしにかかわるお悩み事を解決できることがたくさんありますので、社員にとっても社会性が高い仕事をしていることを認識し、働いて欲しいと願っています。

不動産オーナーがトランクルーム投資に熱い視線

アンケートでは、全体の7割がトランクルーム投資・土地活用に興味を持つと回答

――エリアリンク社がトッププレイヤーになった理由はどこにありますか。

鈴木貴佳社長

トランクルーム業界はトッププレイヤーの集客が容易です。我々はトップを走り、信頼度も高いため、お客様は投資やご利用されるにしてもまず当社のホームページを確認されます。一度規模が大きくなるとその地位は揺るぎません。

つまり会社の規模が大きくなるほどお客様の集客が容易になり、逆に小規模の事業者では厳しくなります。次に苦戦されるのは資金調達です。毎月安定して利益は入りますが、その金額が大きいわけではありませんから、資金調達の術を持っていないと、拡大はしにくいのです。

一方、エリアリンクの財務体質は良好で、出店する資金は金融機関から潤沢に借り入れが可能ですから、その点も他社と差をつけています。

やはり規模の経済により、シェアをいち早く他社に先駆けてより多く獲得し、安定した資金調達先を確保したこと、そして少数精鋭により、業務を推進しているため、少ない経費でより多くの利益を獲得している点がトッププレイヤーの地位を獲得し、維持していると自負しています。

――話は変わりますが不動産所有者でトランクルームに関心を抱かれる方はどのくらいおりますでしょうか。

鈴木貴佳社長

近年、都市部を中心に住環境の狭小化が進展し、収納スペースの不足が社会課題となっています。ライフスタイルや働き方の多様化を背景に、個人・法人を問わずトランクルームの利用が広がりを見せています。さらに、不動産価格や建築費高騰、相続・節税対策などを背景に、土地オーナーの間では「建てない土地活用」や「管理負担の軽減」を重視する傾向が強まっています。

このような背景をもとに、エリアリンク社では不動産投資や土地活用に関するアンケート調査を2025年11月に実施。最も多くの回答を集めたのは「アパート・マンション経営」 (52.3%)で、半数以上が関心を示しました。長期的な入居需要や安定した賃料収入を見込めることから、依然として王道の投資先として位置づけられています。

調査ポイントの「トランクルーム(レンタル収納スペース) 経営」 (10.7%)などの新たな形態の投資も一定の注目を集め、特にトランクルーム経営は民泊と同水準まで認知が進んでいる点が特徴的です。これらの結果から全体としては「安定収益を重視しつつも、少しずつ新たな土地活用手法にも関心が広がっている」傾向がうかがえます。

トランクルーム投資・土地活用に、これまでの経験や関心度を調査したところ、全体の約7割(69.8%)が何らかの形で興味を持っていると回答されています。このうち、実際にトランクルーム投資・土地活用を行っている層、資料請求など行動を起こしている層に加え、「将来的な検討意向」を持っている層もあり、市場の潜在需要が広がっていることがうかがえます。

今回の調査では、トランクルーム投資や土地活用に対する関心の高まりが明らかになりました。トランクルームは駅から遠い、形状が変形している、面積が小さいといった“建物を建てるには制約が多い土地”でも、有効に活用できる可能性があります。実際、エリアリンク社が展開する土地活用モデルでは、アパートなどに比べて空室リスクが軽減され、駅から離れた立地でも収益が見込めるという優位性があります。

屋内型トランクルーム

――これから強化されたいエリアは。

鈴木貴佳社長

やはり1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)と京阪神の中心部が人口も多く高いニーズの地域で高く貸せますので多く出店する方針です。さらに名古屋市のほか札仙広福(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)にも出店を行いたい。

――オーナー様のお声や評価はいかがですか。

鈴木貴佳社長

築50年以上経ち老朽化してきたアパートに代わる新たな活用方法を探されていましたオーナー様は、アパートであれば入退去時の修繕費用やリノベーション費用がかかることに加え、空室リスクもあります。しかしトランクルームへ投資したことにより、長期の安定収入が実現できたとの評価があります。

実力主義のエリアリンク社で若くして社長に就任

エリアリンクの鈴木貴佳社長

――若くして社長に就任されましたが。

鈴木貴佳社長

私は当時の林尚道社長(現会長)の親族でもありませんから最初から社長になることが決まっていませんでした。新卒入社でただひたすらにがむしゃらに働いてきました。創業者の林会長から私が社長に就任する3年前に社長昇格への打診がありました。

同じ仕事をするのであれば、少しでも高みの地位にいたいという強い想いもあり、私もそのオファーを受けることとしました。全力で仕事をしているからこそ運も引き寄せられたと考えています。

エリアリンク社は、年齢や性別に関係なく、成果を上げた者が評価され、昇給・昇格する実力主義の企業文化です。2011年4月の入社以来、現在までいろいろなストレージ事業に携わってきました。現場の業務が分かっていますのでそれが今の社長業に生きています。

経歴ではトランクルーム事業拡大の功績が評価を受け、2016年には取締役ストレージ本部長に就任。出店から店舗開発・施工、その後の集客・運営、トランクルームのオーナー様へのフォローや店舗が閉鎖する際の対応などストレージ事業全体の統括責任者として従事し、常務取締役、専務取締役を経て2023年3月28日より代表取締役社長に就任しました。

――社長就任後、変えたことは何かございますか。

鈴木貴佳社長

林会長は、人間は一般的にはやらないものと考えており、どうすれば人間はやるようになるかを思案されていました。そこでエリアリンク社の社員はスーツを義務化しないとだらしない格好で出社すると想定されていました。

他にもいろいろとやる仕組みをつくっていました。もちろんいい面もあり、決まりに沿って会社を運営すると結果が出ます。ただし会社のフェーズが進展すると働き方や価値観も変わります。

率直に申しますと会社も上場し、従業員の質もずいぶんと向上し、これからは自分たちで考えて、責任を持って行動するフェーズに切り替える時に来たのです。そこで服装も自分で決めることとしました。イベントや研修も減少することで今までより少ない人数で会社運営を進めています。

評価内容も変化しています。昔は営業で件数をこなす社員が出世する傾向にありましたが、これを改め、マネジメントもできる社員でなければ部下を管理できませんから、このマネジメント力もしっかりと評価対象とするよう人事査定も変化しました。

2027年12月期に売上高294億円の目標を設定

――マネジメント力の評価は難しそうですが。

鈴木貴佳社長

個人としての成績だけを見るのではなくチーム全体が底上げして、営業力を向上しているかを丁寧に見ています。そのチームが与えられた目標やミッションを達成し、全体が成長しているかが肝要です。そのチームを経営している考えで、行動できるかがポイントです。

――採用でご希望する人材像についてはいかがですか。

鈴木貴佳社長

落ち着いてゆっくり働きたいと希望される方はエリアリンク社のカラーにそぐいません。これはこの働き方を否定しているのではありませんがカラーにあわないのです。

やはり仕事で結果や成果を出したいという意欲にあふれる方、ご自身の高い成長を望まれ、正当に評価されたい、さらにその先には金銭的にも豊かになりたいなど大きな目標を持っている方が当社のカラーに合うと思います。実際、当社で活躍している社員はカラーに沿った人材が多いという印象を比較的に持っております。

――今後の方針は。

鈴木貴佳社長

エリアリンク社は、ストレージ事業を核とした成長戦略を推進し、2025年12月期から2027年12月期までの新しい中期経営計画「中期経営計画25-27」を策定しております。

2027年12月期に売上高294億円(2024年12月期比19.0%増)、営業利益65.5億円(同33.5%増)、経常利益61.7億円(同30.9%増)、2029年には20万室(業界シェア24%)の目標に据え、出店を加速します。関東・関西の都市部を中心に、コンテナ型、建築型、ビルイントランク型の3種類の商品を展開し、社員一同目標必達のため、奮闘しているところです。

この目標達成については社員を増やさない形で達成したい。実はこの5~6年、社員を増やさないで目標を達成してきました。社員を増やすと当然トラブルも増えますし、教育にも時間がかかります。

何か方針転換を進め、スピード感を持って事業を展開したいと考えた場合、社員が増えると行動が重くなってくるのです。少人数経営で目標を達成すれば給料も上げられ社員に還元できます。今も社員への還元はしていますが、これからもさらに続けたいと願っています。

そのためには高い数字の達成や日々のパフォーマンスを向上するなどの努力が必要になります。

――M&Aの検討は。

鈴木貴佳社長

何千室~何万室を保有しているストレージの事業者を対象にM&Aを検討しており、さらなる規模の拡大を望んでいます。M&Aのお話自体はございます。折り合いがつけば、是非実現したいです。

屋内型トランクルーム

会社概要

社名エリアリンク株式会社
所在地東京都千代田区外神田4-14-1秋葉原UDXビル北ウィング20階
設立1995年4月
代表取締役鈴木貴佳
資本金6,111百万円(2024年12月31日現在)
上場市場東証スタンダード市場
社員数80名(2024年12月31日現在)
事業内容ストレージ事業、土地権利整備(底地)事業、オフィス事業、アセット事業
公式ホームページhttps://www.arealink.co.jp/
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