山形県寒河江市は県のほぼ中央に位置し、庄内地方と山形市を結ぶ幹線国道や、庄内地方と宮城県とを結ぶ山形自動車道が走っており、県内でも有数な好立地となっています。
市内には山形県の母なる川「最上川」と清流「寒河江川」が市街地を包むように流れ、月山や蔵王、朝日連峰を望み、四季の変化に富んだ美しい景観と豊かな自然環境に恵まれ、1000年以上もの間育まれてきた歴史や文化を持っています。
今回は、一般社団法人寒河江市観光物産協会の佐野 裕介さんに寒河江市観光の魅力についてお話をうかがいました。

一般社団法人寒河江市観光物産協会
佐野 裕介さん
県内の中央に位置する好立地で自然豊かな地域

――寒河江市のご紹介からお願いします。

寒河江市は山形県のほぼ中央に位置し、山形自動車道や幹線国道が走っているため、交通の要所となっています。そのため、蔵王や銀山温泉、庄内地方など、県内の主要な観光地へも車で1時間から1時間半程度と比較的近い距離にあります。
また、出羽三山で有名な月山や朝日連峰、奥羽山脈などの山々に囲まれ、「最上川」や「寒河江川」が市街地を包むように流れているため、その肥沃な土地から品質の高い農作物が多く収穫され、特にさくらんぼシーズンは多くの観光客で賑わっています。
行政と連携し、観光誘客と物産振興に注力


――次に一般社団法人寒河江市観光物産協会さまはどのようなご活動をされているのでしょうか。



寒河江市観光物産協会は、観光誘客と物産振興の2つの柱で活動しています。もちろん、私たちだけではなく行政や温泉組合、観光関係団体と連携して事業を行っています。
――具体的にはどのようなご活動を



寒河江駅からの二次交通の充実を図るため、対象施設間がタクシー1台あたり500円で利用できる寒河江観光ワンコインタクシー事業(令和6年度は2月28日で終了)や、観光誘客を図るために首都圏の駅などで行う観光キャラバン、また秋には、首都圏などで開催されている物産展やイベントなどでブース出展をし、特産品や農産物の出張販売などを行っています。
食・自然・歴史建造物と魅力あふれる街


――寒河江市の魅力はいかがですか。



寒河江市ではさくらんぼを筆頭に、ぶどうやりんご、ラフランスやいちごなど通年を通して果物を楽しむことができます。
また、先ほどもお話しましたが、月山や朝日連峰の湧き水からなる清流『寒河江川』や山形県の母なる川『最上川』が市街地を包むように流れていることから、水資源にも恵まれ、お米や果物をはじめ、様々な農産物が作られています。





国史跡に指定されている慈恩寺旧境内をはじめ、悠久な歴史を感じられる寺社仏閣が点在しているのも寒河江市の魅力の一つです。


――この中で慈恩寺をフォーカスしていただけますでしょうか。



慈恩寺は聖武天皇の勅命により、746年(天平18年)に開山したとされる、古刹で、約1300年の歴史を誇ります。2014年(平成26年)には広大な慈恩寺旧境内一帯が国史跡に指定されました。
また、文化財においても国指定が8件、県指定が25件と東北有数となっており、令和7年の5月下旬からは、11年ぶりに「木造弥勒菩薩坐像(国指定重要文化財)」をはじめとした、弥勒五尊の御開帳が行われます。
境内には、その他にも薬師堂や三重塔、山門など歴史あるお堂が建っており、そこからも歴史を感じることができます。
令和3年5月には、「慈恩寺旧境内」の総合案内施設として、「慈恩寺テラス」がオープンしました。プロジェクションマッピングや、4K大型ラウンドシアターなど、最新技術で分かりやすく紹介しています。館内には飲食コーナーもあり、ご当地グルメの肉そばや、おしゃれなカフェメニューなど散策の休憩に立ち寄ることもできます。
- 瑞宝山 本山慈恩寺
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〒990-0511 山形県寒河江市大字慈恩寺地籍31
- 慈恩寺テラス 史跡慈恩寺旧境内ガイダンス交流拠点施設
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〒990-0511山形県寒河江市大字慈恩寺1178-1
TEL:0237-84-6811
寒河江温泉は源泉かけ流しで「美肌の湯」


――ちなみに温泉施設はどちらにありますか。



寒河江駅付近を中心とした寒河江温泉と、最上川沿いの新寒河江温泉と主に2つに分けられます。この地に湧き出た温泉は、【あったまりの湯】として昔から親しまれてきました。100%源泉かけ流しの天然温泉で、琥珀色の湯からは植物起源の有機質を多く含んでおり、湯上り後さっぱりとした清涼感が特徴です。


- 日帰り温泉 寒河江市市民浴場 湯るりさがえ
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2023年4月に移転新築。館内には、新寒河江温泉の源泉かけ流し大浴場やサウナ室、体が不自由な方にも温泉を楽しんでいただける福祉風呂などを備えた市民浴場。豊富な湯量と熱めが特徴です。
〒991-0043 寒河江市大字島147-15
TEL:0237-86-1126
- 寒河江花咲か温泉 ゆ~チェリー
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男女それぞれに浴槽が3つあり、全て泉質の異なる100%源泉掛け流しの日帰り温泉施設。露天風呂、サウナ、売店、食堂、休憩室(有料)など、施設内も充実しています。
〒991-0041 寒河江市大字寒河江字久保15
TEL:0237-83-1414
- みいずみ温泉吉乃ゆ
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内風呂と露天風呂があり、ゆっくり浸かれる少し温めのあったまり湯でリラックス。ジャズが流れるこじんまりした隠れ家で、大人の癒しの時間を楽しむことができます。また、食事ができる蕎麦処「梅いち蕎麦」も併設。
〒991-0002 寒河江市下河原153-2
TEL:0237-85-1300
話題沸騰!国内最大規模の観光サクランボ園


――果物についてはいかがでしょうか。



観光さくらんぼ園では、6月上旬から下旬にかけてさくらんぼ狩りができます。全国的なブランドである佐藤錦のほか、粒が大きくとても甘い紅秀峰(べにしゅうほう)もオススメです。
さくらんぼが終わると、ブルーベリー狩りが始まり、秋にはブドウやリンゴ、12月から春まではいちご狩りを楽しむことができます。
東北最大級の道の駅「道の駅 寒河江チェリーランド」


――お土産を買う場所はどちらがいいでしょうか。



東北最大級の道の駅【道の駅寒河江 チェリーランド】がおススメです。600品目を超えるさくらんぼ関連商品をはじめ、市内外のお土産品の品ぞろえは県内有数となっています。
このほか、山形牛・地域銘柄牛を使用した人気のステーキ丼などが堪能できるレストランや、スイーツが楽しめるカフェ、根強い人気のジェラートなどグルメも充実。令和6年4月には子育て遊戯施設【CLAPPIN SAGAE】がオープンするなど、子供から大人まで楽しめる施設となっています。
- 道の駅寒河江 チェリーランド
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〒990-0523 山形県寒河江市大字八鍬字川原919-8
県内トップクラスの産直施設「アグリランド産直センター」
――寒河江市の果物などはどちらで買えばよいでしょうか。



寒河江市や周辺地域の新鮮な農作物の購入は県内でも屈指の人気産直施設「アグリランド産直センター」がおススメです。山形自動車道の寒河江SAに隣接し、近くには日帰り温泉や公園などがあり、周辺施設とあわせて楽しむことができます。
- アグリランド産直センター
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山形県寒河江市大字寒河江字久保2
――米どころですから、酒蔵も盛んな地域ではないでしょうか。



寒河江市には3つの酒蔵があります。いずれの酒蔵も月山を望む豊かな自然に恵まれた寒河江市の良質な“米”と清冽な“水”を使い、伝統の技で造り上げた最高峰の酒を造っています。
「焼き鳥」で食通をうならせる絶品の味


――ちなみにグルメはいかがですか。



寒河江といえば寒河江やきとりです。「寒河江やきとり」は昭和30年に創業したお店から市内に広まり、多くの市民に愛されてきた寒河江市が誇るB級グルメとなっています。やきとりの種類はお店で異なりますが、客の好みに合わせて塩またはタレで味付けされたやきとりを頬張ると、新鮮な豚モツを香ばしく焼き上げた旨味が口一杯に広がります。
廃校した施設を活用「学びの里TASSHO」がオープン


――話は変わりますが全国的に学校の統廃合が進んでいますが、寒河江市では利活用されているケースがあるとうかがいました。



葉山の麓にある田代地区にあった旧田代小学校をリノベーションし、様々な体験や宿泊ができる多目的交流館「学びの里 TASSHO」が2018年にオープンしました。こちらでは、田代地区でとれた食材をふんだんに利用した里山定食が食べられる「たしろ亭」や、豊かな地域資源を活かした「里山体験プログラム」を提供しています。夏はトレッキングや星空観察会、冬はグラウンドで雪遊びなど季節にあわせて様々な体験メニューで楽しむことができます。
- 学びの里TASSHO
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〒990-0503山形県寒河江市大字田代370-1
TEL:0237-85-0822


その他にも、屋内アクティビティとして、国内屈指の高さを誇る『ノバリアクライミングジム』が2024年9月にオープン。国内最大級の高さ17Mのリードクライミング壁は、圧巻の迫力です。
ボルダリングエリアは初心者エリア、中級者〜上級者エリアに別れており、小さなお子様からベテランのクライマーまで楽しむことができます。
- クライミングジム「ノバリア」
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〒991-0061 山形県寒河江市中央工業団地185
TEL: 0237-84-0207
公式HP: https://k-kaisei.com/
――貴協会の今後の方針は。



山形県のなかでもまだまだ知名度が低いことを痛感しており、少しでも多くの方に寒河江を知っていただくために寒河江ファンを少しでも増やし、観光に来ていただいたり、農産物や特産品でつながっていただいたりと、様々な形での関係人口拡大を図り、地域経済の活性化につなげていきたいと考えています。
組織概要
名称 | 一般社団法人 寒河江市観光物産協会 |
代表者 | 代表理事(会長) 佐藤 正樹 |
所在地 | 〒990-0523 山形県寒河江市大字八鍬字川原919番地の8 |
電話番号 | 0237-86-8866 |
公式HP | https://sagae-kanko.com/ |
楽天ショップ | https://www.rakuten.co.jp/sagaekanko/ |
公式X | https://x.com/tanepu |
公式Instagram | https://www.instagram.com/sagaekanko/ |
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