北海道上川郡東川町は、国際交流が大変盛んな町で、こちらで働く就業者も外国人が多く、町民も多文化共生を楽しまれています。2015年に日本初の公立日本語学校となる「東川町立東川日本語学校」を開校し、町には外国人も集まり、活気をもたらしています。
東川町は交流で町を賑やかにしていくというコンセプトを示しています。「写真の町」の宣言以降、40年以上が経ち、写真文化を通じたイベントなども開催。文化、自然を大切にしながら町づくりを進めています。全戸が豊かな地下水で生活する、全国でも珍しい上水道がない町です。それだけ水が美味しい町と評判です。
東川町の大きな特徴では、20年以上にわたって移住者が増え続け、緩やかに人口が増加している点にあります。大東建託株式会社が発表した「いい部屋ネット 街の住みここち&住みたい街ランキング2024<全国版>」(2024年8月発表)では、全国第1位を獲得しました。
台湾から移住し、東川町の日本語学校で日本語を学んだ後、現在は一般社団法人ひがしかわ観光協会のインフォメーションスタッフとして働く、藍 羽心(ラン・ウシン)さんに東川町の魅力について語っていただきました。
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一般社団法人ひがしかわ観光協会
藍 羽心(ラン・ウシン)さん
北海道で唯一「上水道のない町」。美味しい天然水で暮らす

――北海道東川町のご紹介からお願いします。
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東川町は、北海道のほぼ中央に位置し、北海道第2の都市「旭川市」に隣接し、旭川市中心部から車で30分、旭川空港から車で10分とアクセスが便利な場所です。
町の象徴は、北海道最高峰の「旭岳」、日本最大の自然公園「大雪山国立公園」の一部です。その上、東川町は、北海道で唯一「上水道のない町」です、町民全員が毎日大雪山系の伏流水由来のきれいで美味しい地下から天然水で暮らす、これは東川町で独特な生活環境です。
また、1985年から「写真の町」としての町づくりを進めており、2014年には「写真文化首都」を宣言。写真を通じた文化交流が盛んで、毎年開催される「写真甲子園」には全国から高校生が集まり、自然豊かな東川町とその近郊ならではの風景を撮影し競い合います。
近年では多くの移住者が東川町に魅了されています。豊かな自然と快適な生活環境、そして写真文化が根付いた町として、東川町は今もなお進化を続けています。
- 写真甲子園2025: https://syakou.jp/
- 写真文化首都: https://higashikawa-town.jp/portal/photo/panel/15
都市の便利さと自然の静けさが共存する町


――東川町では魅力も豊富で移住者も増加しているとのことですが。
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東川町は、その美しい自然と独特な文化が魅力的な町です。「写真の町」の宣言以来、写真文化が根付き、町内では写真に関するイベントが多く開催されています。
四季折々の風景や、大雪山を背景にした絶景が広がるこの町は、どこを切り取っても絵になる場所ばかり。自然が作り出す美しい景色は、訪れる人々に感動を与え、まさに「笑顔あふれる町」の名にふさわしい場所です。
また、東川町は天然水に恵まれています。町の上水道システムはなく、地下水を生活用水として利用しています。この水は大雪山系の伏流水として地中から汲み上げられ、天然のミネラルを多く含み、非常に美味しいことで知られています。米作りや野菜、地元の加工品はもちろん、飲食店もこの天然水を使っており、その恵みを存分に感じられるのが魅力です。私の感想ではこちらのお水は甘く美味しいです。
さらに、東川町は旭川市に隣接し、旭川空港まで車でわずか10分という便利で好立地な場所です。都市部へのアクセスが良好でありつつ、周囲には大自然が広がっているため、都市の便利さと自然の静けさの両方を楽しむことができます。これも、東川町が多くの人々にとって魅力的な場所である理由の一つです。
日本初公立日本語学校の存在が外国人の移住促進
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――外国人も好んで移住されているとうかがいました。
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東川町のもう一つの特徴は、多文化共生の環境です。
町内には全国で初めて設立された公立の日本語学校と、私立の専門学校に日本語を専攻する学科があり、たくさんの留学生が生活しながら日本語を学んでいます。町の人口の約6%は外国人です(400~600人)。
- 東川町立東川日本語学校: https://higashikawa-jls.com/
- 学校法人北工学園 東川国際文化福祉専門学校: https://fukusen.ac.jp/
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町民は多文化交流を自然に楽しみ、グローバルな視点を持つことができます。このような国際的な雰囲気も、東川町に移住する理由の一つとなっています。私も台湾から移住をしてきた一人でとても暮らしやすい町と思っています。私もこの公立日本語学校で日本語を学び、そのまま移住しました。
最初に母が、「東川町は素晴らしい」と言って移住し、私も後を追ってこの町に移住しました。台北空港と旭川空港は直行便もあり、多くの台湾人も観光に訪れています。ちなみに台湾からの留学生は15名ほどおり、現在東川町で日本語を学んでいる学生が一番多い外国人はタイからの学生だと思います。
現在、東川町の人口は約8,400人ですが、ここ数年は移住者が増え、人口が年々増加していることが注目されています。豊かな自然、便利なアクセス、多文化共生の環境が、人々を惹きつけているのです。東川町は、今後もさらに成長を続け、多くの人々にとって住みやすい、魅力的な町であり続けることでしょう。
――東川町に移住されてのご感想は。
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私は台湾の都市部に住んでいましたが、東川町は自然にあふれ、綺麗な街で夜はとても静かです。とてもいい町です。
北海道の最高峰の旭岳の魅力は冬だけじゃない
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――観光スポットについて教えてください。
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東川町を訪れた際に、まず思い浮かぶ観光スポットといえば、やはり旭岳でしょう。旭岳は、北海道のほぼ中央に位置し2,000m級の山々が連なる大雪山の主峰であり、北海道の最高峰です。
夏はもちろん、6月の山開きから9月中旬の紅葉期にハイシーズンを迎え、多くの登山者が訪れます。紅葉が終わると長い冬が訪れ、極上のパウダースノーを楽しむ事ができます。
冬の旭岳は山岳スキー、スノーボードを楽しむエリアとしても知名度が高く、特にふわふわのパウダースノーが魅力です。私もここで初めてスノーボードを楽しみ、とてもいい経験でした。ロープウェイで標高1,600m地点まで登り、そこから壮大な雪山を滑ることができます。私のおススメは、秋の紅葉シーズンにロープ―ウェイで「姿見の駅」まで上がり、旭岳から下界を眺める光景は格別です。


- キャンモアスキービレッジ: https://www.canmore-ski.jp/
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東川町はその面積の多くを大雪山国立公園に位置していて、主峰旭岳は今なお活動を続ける活火山です。火山地帯は通常、豊富な地熱資源を持っているため、地下水が地熱によって温められ、天然の温泉が形成されます。
ウインタースボーツをした後、近くの温泉ホテルでゆっくりと湯につかる。運動で疲れた体が、一瞬でリフレッシュされる感覚になります。
東川町は2つの温泉地区を有し、旭岳温泉と天人峡温泉が町の中心部から約30km離れた場所にあります。疲れた身体を癒すのに最適です。私もどちらの温泉を楽しみましたがとても良かったです。私だけではなく、多くの日本人や台湾人が温泉好きな方が多いです。


旭岳登山や忠別湖でのSUPやカヤックが人気に


――様々なアクティビティ体験もできるとうかがいました。
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東川町は、四季折々の自然を楽しむことができるアクティビティが豊富に揃っている町でもあります。春から夏には、旭岳登山や忠別湖(ちゅうべつこ)でのカヌーやSUP、カヤックが体験でき、忠別湖は静かで初心者にも最適です。周囲の山々と森林が美しい景色を提供し、リラックスした自然を楽しむ場所となっています。
秋には、旭岳をはじめとする山々が色とりどりの紅葉に染まり、登山やハイキングとともに絶景の紅葉狩りが楽しめます。
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そして、待ちに待った冬がついにやってきます、冬には、旭岳でのスキーやスノーボードが楽しめるほか、雪景色を満喫しながら温泉でリラックスすることができます。
また、繰り返しになりますが「写真の町」としても有名で、毎年開催される「写真甲子園」では全国の高校生が美しい風景を撮影し競い合います。写真文化が根付いている東川町では、自然の魅力について写真を通してさらに深く感じることができます。
最高ランク【特A】の東川町米でどんな料理にもぴったり合う


――東川町ならではのグルメのご紹介は、いかがですか。
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東川町にはいろんな飲食店があります。
しかしなによりも東川の美食と言えば、まず「東川米」を思い浮かべるでしょう。東川米の特徴は、大雪山の天然水を使用して育てられているため、粒がふっくらとして甘みがあり、どんな料理にもぴったり合います。シンプルな白ご飯から、地元の食材を使ったお弁当や寿司まで、どんな料理でも東川米の美味しさが引き立ちます。すごく美味しいお米です。
東川町内の飲食店では、ほとんどの店が地元で育てられた東川米を使用しており、それぞれの店の特徴を活かした料理が楽しめます。東川米を食べた人は、その香り高く甘みのある味わいに魅了され、忘れられない美味しさを感じることでしょう。
自然を四季折々に楽しめる町


――東川町での自然の楽しみ方を教えてください。
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東川町は、豊富なアウトドアアクティビティが揃い、訪れる人それぞれが自分に合った方法で自然を満喫できる場所です。旭岳は、登山愛好者にとって魅力的なスポットであるだけでなく、ロープウェイを利用すれば、絶景を簡単に楽しむことができます。また、自然の中を散策するトレッキングも人気があり、四季折々の風景を楽しめます。
水上アクティビティを楽しみたい方には、忠別湖が最適です。湖面は穏やかで、SUPやカヌーを気軽に体験できます。湖の周囲には美しい山々と森林が広がり、まるで大自然に包まれているような感覚を味わえます
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雪国ならではの体験を求めるなら、東川町のスキー場がおすすめです。旭岳はふわふわのパウダースノーが楽しめるスキーヤー・スノーボーダー憧れの場所ですし、キャンモアスキービレッジは初心者や家族連れにもぴったりな施設が整っています。
また、スキーをしない方でも、スノーシューやクロスカントリースキーで雪に包まれた森を歩き、冬ならではの静寂を体感できます。アクティビティの後は、町内の温泉で冷えた体を温めながら、雪景色を眺める贅沢なひとときを過ごすことができます。
東川町では、アクティブに自然と触れ合うのもよし、静かに景色を楽しむのもよし。それぞれのスタイルに合わせた体験ができる、心に残る旅をお届けします。
旭岳を登り、またスキーなどのウィンタースポーツを楽しまれた後は、温泉を楽しまれるのもいいです。
「ひがしかわ氷まつり」などイベントは豊富に開催


――東川町でのイベントはどのようなものがございますか。
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東川町では年間を通じて多彩なイベントが開催されています。
冬(1月)には氷彫刻コンクール東川大会、雪像コンテストや花火大会が楽しめる「ひがしかわ氷まつり」を開催、会場には多くの飲食ブースやゲームイベントも用意され、昼も夜も楽しむことができるんです。
暖かくなるにつれて、地元の農産物や手作り品が並ぶ「暮らし楽しくフェスティバル」(2025年では5月24~25日)が開かれ、約100店のフリーマーケットと地元の特産品を一堂に集めるなど地域の魅力を満喫できます。
夏には、本格的な登山シーズンを前に、大雪山旭岳の山開きの儀式と登山者の無事と安全を祈願し、旭岳の山の神に祈りを捧げる「旭岳 山の祭り(ヌプリコロカムイノミ)」を開催、アイヌの貴重な伝統文化を体験できるイベントです。


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「写真の町」としても知られている東川町は、「写真甲子園」や「高校生国際交流写真フェスティバル」など、国内外の高校生が参加する写真イベントが充実し、さらに、「東川町国際写真フェスティバル」では受賞作品展や写真シンポジウムが行われ、同時期には賑やかな夏祭り「ひがしかわどんとこい祭り」も開催予定です。
また、アウトドアスポーツを楽しむ人たちに向けた、カヤックや自転車を組み合わせた環境スポーツイベント「大雪旭岳SEA TO SUMMIT」も人気です。
東川町では、四季折々の自然と文化を楽しめるイベントが盛りだくさんです。
美しい自然を国内だけではなく海外に知って欲しい


――今後の方針を教えてください。
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東川町は自然が豊かで、空気も水もおいしく、人々もとても親切で、ここでの生活は、私にとって大切な経験となっています。そこで何点か気が付いた点を申し上げます。
観光や国際化への取組みでは、東川町の美しい自然は、もっと多くの海外の方に知ってもらいたい魅力です。そのために、英語や中国語での観光案内や、外国人向けの体験プログラムが充実すると、もっと訪れやすくなると感じました。
東川町の食材はとてもおいしいです。そのため、食文化の交流・発信では、地元の食材を使った料理を、外国人にもわかりやすく紹介する取組みや、国際的な料理交流イベントがあれば、文化の架け橋になると思います。
外国人旅行者に人気のあるアウトドア体験(登山、スキー、キャンプ、サイクリングなど)を、外国語対応のガイドや装備レンタルなどの形で提供できれば、もっと多くの人が安心して楽しめるのではないでしょうか。
今、申し上げたご支援があれば、もっと多くの外国人が東川を「第二の故郷」と感じてくれるのではないかと期待しています。
私も東川町に移住し、たくさんの人に助けられながら生活してきました。これからも、一人の住民として、少しずつでも地域に貢献できたら嬉しいです。
団体概要
団体名 | 一般社団法人ひがしかわ観光協会 |
所在地 | 〒071-1423 北海道上川郡東川町東町1丁目1-15 |
TEL | 0166-82-3761 |
FAX | 0166-82-4764 |
公式HP | https://www.welcome-higashikawa.jp/ |
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