北茨城市は、茨城県最北端に位置する、海と山の自然に恵まれた魅力的な街です。太平洋に面し、美しい海岸線が広がっています。
自然では岡倉天心が愛し、複雑な岩礁と透明度の高い海が織りなす五浦海岸(いづらかいがん)、また海から山に目を向けると秋の紅葉の景色が実に見事な花園渓谷のハイキングコースも整備されています。
観光スポットでは、天心が思索した場として設計した「六角堂」(茨城大学五浦美術文化研究所)、近代日本美術の発展に貢献した地域ゆかりの県立美術館「茨城県天心記念五浦美術館」などがあり、自然と芸術が調和する街として知られています。
グルメでは、新鮮な海の幸に恵まれ、あんこう鍋発祥の地としても有名です。また、水を使わずにあん肝と味噌で煮込む「どぶ汁」は、濃厚な旨味が特徴の郷土料理で、冬の味覚として人気です。
北茨城市観光協会の滝 翔吾さんに北茨城市の観光やグルメなどのお話をうかがいました。

北茨城市観光協会
滝 翔吾さん
太平洋に面した五浦海岸には芸術の精神が息づく

――北茨城市の歴史と魅力からお願いします。
滝 翔吾さん(以下、滝さん)北茨城市は、茨城県最北端に位置し、海と山、そして芸術が調和する街です。
太平洋に面した五浦海岸(いづらかいがん)は、岡倉天心や横山大観らが日本美術の近代化を志した地として知られ、現在も「茨城県天心記念五浦美術館」などでその精神が息づいています。
さらに、チームラボによるデジタルアート作品「幽谷隠田跡」が登場し、伝統と最先端が融合した新たな魅力を発信しています。海の幸に恵まれた食文化も豊かで、あんこう料理や新鮮な海鮮が訪れる人々を楽しませます。一方、内陸には花園渓谷や花園神社など、四季折々の自然美を楽しめる名所が点在しています。
岡倉天心が設計した六角堂


――北茨城市の観光スポットのご紹介も。



五浦海岸にある「六角堂」。近代美術の祖の岡倉天心が設計して建物で、海を前にした景観が印象的です。思索の場所として建てた六角形の建物。六角堂を付近から楽しむのもいいですが、わたしとしては、五浦岬公園から六角堂を眺望するのもおすすめです。
五浦海岸の入り組んだ美しい景観に赤い六角堂が見ることができ、自然と芸術を同時に楽しめます。五浦海岸のシンボルとして知られ、雄大な太平洋と松林の緑に映える赤い建物は、まるで日本画のような美しさと称えられています。
※岡倉天心・・・・明治時代に日本の美術や文化を世界に紹介し、その価値を高めた偉大な文化人。日本の伝統文化が西洋化の波に飲み込まれるのを防ぎ、国際的な評価を勝ち取る。東京美術学校(現・東京藝術大学)の設立に尽力し、校長も務める。ボストン美術館の東洋部長として、日本の美術品を海外に紹介。『茶の本』『東洋の理想』『日本の覚醒』などの著書がある。


「関東の松島」の別名を持つ五浦海岸





この五浦海岸は、太平洋の荒波が作り出した美しい景勝地。大小5つの入り江と高さ50mの断崖絶壁が特徴で、「関東の松島」という別名も持っています。また、「日本の渚百選」 「日本の音風景100選」「日本の白砂青松100選」などにも選ばれるなど、その景観の美しさは高い評価受けています。
五浦ゆかりの芸術家を称える「茨城県天心記念五浦美術館」





「茨城県天心記念五浦美術館」は、岡倉天心や横山大観をはじめとする五浦ゆかりの芸術家たちの業績を称え、優れた作品を鑑賞する場として1997年に開館しました。美術館では、主に近現代の日本画を中心とした企画展を定期的に開催。また、館内にある「岡倉天心記念室」では、書簡や遺品を通して天心の生涯を紹介しています。
横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山という五浦ゆかりの作家たちの作品も展示し、近代日本美術の発展に貢献した彼らの活動を知ることができます。



ちなみに北茨城市は海だけでなく、山にも魅力あふれるところがいっぱいあります。
四季折々の景色を楽しめる「花園神社」


――山方面の観光スポットも教えてください。



「花園神社」は、茨城県の中でも古い歴史を持つ神社の一つで自然に囲まれ、四季折々の美しい景色や静寂な空気を楽しむことができます。
795年に征夷大将軍の坂上田村麻呂により創建されたと伝えられる歴史ある神社。山々に囲まれた荘厳な場所にあり、朱塗りの楼門、拝殿、本殿が美しい点が特徴です。
坂上田村麻呂・・・平安時代初期の武人で、征夷大将軍として活躍。優れた武勇とリーダーシップで、朝廷の蝦夷(えみし)支配に大きく貢献した人物として知られ、後の武士の模範となった。


紅葉が美しい花園渓谷





また、神社の付近には、紅葉が美しい、花園渓谷があります。自然豊かなこの場所は、北茨城市を代表する観光スポットの一つ。特に秋になると紅葉鑑賞を楽しまれる多くの観光客が訪れます。紅葉と澄んだ川の流れの景観が見どころです。
あんこう鍋の発祥の地・北茨城市
-1024x689.jpg)
-1024x689.jpg)
――グルメについてはいかがでしょうか。



北茨城市には、新鮮な海の幸から地元ならではの郷土料理まで、魅力的なグルメスポットがたくさんあります。地元ではあんこう料理や花園牛、メヒカリの唐揚げなど、この土地ならではの味覚が楽しめます。
北茨城市はあんこう鍋発祥の地として知られており、美味しいあんこう鍋を味わえるお店がたくさんあります。
北茨城市のあんこう鍋は地域の郷土料理のどぶ汁の料理方法がベース。あんこうの肝を鍋に直接炒りつけ、味噌を加え、あんこうと野菜から出る水のみで煮込むという、野趣あふれる濃厚な風味が特徴です。





そのため北茨城市のあんこう鍋は味噌仕立てです。どぶ汁同様のあん肝が溶け込んだ濃厚なスープ、あんこうの七つ道具(あん肝、柳肉、水袋、卵巣、えら、胃袋、皮)、季節の野菜や豆腐などもふんだんに入っています。
各地の鍋グランプリで金賞を受賞するなど、全国に認められている一品。他の地方では塩や醤油ベースのあんこう鍋もあります。
農林水産大臣賞も受賞した「花園牛」





次に「花園牛」について説明します。観光スポットでは、花園神社や花園渓谷など花園にちなんだ名称があり、その名称にちなみに親しまれているのがブランド和牛の「花園牛」。過去には和牛肉品評会の最高峰である「農林水産大臣賞」を受賞したこともあります。
JA常陸管内の銘柄牛振興協議会に所属する限られた農家だけが生産する黒毛和牛で、美しい自然の中で愛情を込めて育てられた、とろける霜降りが特徴の逸品です。山間地域の澄んだ水と空気の中でゆったりと育つため、「安心・安全」な牛肉として高い評価を受けています。脂がのり肉質が良いのでステーキを食べるのが絶品です。
メヒカリは唐揚げと天ぷらがおすすめ





次にメヒカリは、大きな目が特徴の美味しいお魚で、北茨城市では特に漁獲量が多いです。白身魚ですが、脂がのり、やわらかさとふわっとした食感が特徴。様々な料理で楽しめますが、特におすすめなのは唐揚げや天ぷらです。
北茨城市には大津漁港と平潟漁港の2つの漁港があります。カレイ・ヒラメ・イカ・タコ・タラなど多様な魚介が水揚げされます。これらを使った干物・さつまあげなどの加工品がお土産品として人気です。
北茨城市でグルメを楽しめる場所はここ!!





このように北茨城市は、グルメに恵まれた街ですが、あんこうなどの海の幸が食べられる場所として、「食彩太信」「大津漁業直営市場食堂」「増渕魚園」(川魚)などの店舗がございます。
「食彩太信」は、地元の大津港で水揚げされた新鮮な魚介類を店主自ら仕入れているため、非常に新鮮な状態で料理を提供しています。
特に、あんこう料理が有名で、あんこうの刺身やあんこう鍋のフルコースなどが提供されています。
新鮮なあんこうを使った、「あんこうの刺身」「あんこう鍋」のほか生あん肝を炙った一品も楽しめます。
食彩太信では通年にわたり「どぶ汁」を楽しめます。どぶ汁とは、あん肝をたっぷり使った濃厚な味噌味の漁師鍋です。
水をほとんど使わず、あんこうと野菜から出る水分だけで煮込むのが特徴です。寒い冬の海で漁に出た漁師たちが、船上で考案した料理とされています。
このどぶ汁に水を入れて一般の方にも食べやすく工夫したのがあんこう鍋です。







大津漁業直営市場食堂は、地元漁協直営の食堂です。漁協直営ならではの鮮度が自慢で、目の前の大津漁港や平潟漁港で水揚げされた年間約30種類の地魚をほぼ毎日仕入れています。
こちらでもあんこう鍋やどぶ汁を食べられます。人気メニューでは、海鮮丼、釜揚げしらすイクラ丼、生しらす丼があります。黒潮と親潮が交差する好漁場である茨城沖が目の前です。
.jpg)
.jpg)



増渕魚園は、渓流魚料理と釣り体験が楽しめる農家民宿です。ログハウスの温かい雰囲気の店内で、ニジマス、イワナ、ヤマメといった渓流魚や郷土料理を味わうことができます。
養殖されているヤマメ、イワナ、ニジマスの釣り体験ができます。釣った魚はその場で調理してもらい、お刺身や塩焼きとして食べることも可能です。特にニジマスの刺身は濃厚で歯ごたえがあり、イワナの刺身は淡白であっさりしていると評判です。



北茨城市には、ホテル・旅館民宿が多くあり、そこでもあんこう料理などを食べることができます。是非、チェックをお願いします。
ほかお菓子類では、「磯原まんじゅう本舗 やまみつ屋」の名物に「磯原まんじゅう」があります。黒糖を使った生地とたっぷりのこし餡が特徴です。





ちなみに、北茨城市もふるさと納税も行っており、返礼品にご関心がありましたら、是非一度各、サイトでご確認いただけますとありがたいです。


さとふる https://www.satofull.jp/city-kitaibaraki-ibaraki/


「ガラス工房シリカ」で吹きガラスなどを体験


――体験コーナーはいががしょうか。



太平洋を一望できる茜平の山頂に「ガラス工房シリカ」があります。ガラスの原料である珪砂(シリカ サンド)にちなんで名付けられ、ガラスの美しさや創作の楽しさを体験・見学できる施設です。
こちらは見晴らしの良い場所にある観光施設です。毎年元旦にはご来光イベントが開催されるほど景色が素晴らしいです。
吹きガラス体験では、高温で溶かしたガラスを用いて、コップや一輪挿しを約30分で制作できます。色や形、泡など、好きな模様を選べ、初心者でもスタッフが丁寧に教えてくれるので安心です。料金は3,850円です。
ペーパーウェイト作り体験は、世界に一つだけのオリジナル作品を作れ、完全予約制で毎週日曜日に開催されています。是非、ご家族でいらしていただきたいと思います。
夜の森の中でアートを体験「チームラボ幽谷隠田跡」





チームラボのアートと自然が融合した「夜の森のミュージアム」の「チームラボ幽谷隠田跡」は、2024年9月にオープンした施設。「アート・自然・夜景」を組み合わせた新たなスポットで、夜の森の中で体験型アート作品を楽しむことができます。
深い森の中にある棚田跡を舞台に、自然とテクノロジーを融合したアートを展示。無数のライトが棚田を彩り、森に描かれるアートで、神秘的な空間を体験できます。チームラボは、この場所の森の植生を調査し、長い時間をかけて育まれた自然と人の営みに意識を向けた作品空間を作り上げました。
五浦幽谷隱田跡温泉ではアート後に温泉を楽しむ





また、併設している温泉施設「五浦幽谷隱田跡温泉」も日帰り入浴が可能でアート後にゆったりと温泉を楽しむことができます。





五浦の地域にはホテル・民宿も多く、そこには多くの温泉施設がございます。安心して北茨城市にご宿泊され、ゆっくりとお過ごし下さい。
「ニツ島」でシーカヤックを楽しめる





このほか北茨城市の磯原海岸沖に位置する島「ニツ島」があります。2011年の東日本大震災の津波により小さい方の岩は消失しましたが、現在も磯原海岸のシンボルとして親しまれています。
島には、波の状態が穏やかな時には、シーカヤックを使いニツ島の穴をくぐり抜ける体験コースもございます。
3月22日にあんこうサミット開催へ


――主なイベントはどのようなものがありますか。



北茨城市最大のイベントは、全国のあんこう料理が北茨城市に集まり、あんこう料理を食べ比べできる「第10回 全国あんこうサミット」を2026年3月22日(日) (9時~15時)に、北茨城市漁業歴史資料館「よう・そろ一」付近(北茨城市関南町仁井田789-2)で開催します。
全国各地で食べられている様々なあんこう鍋やあんこう料理の販売などを行います。その土地ならではのあんこう鍋がございますのでお楽しみいただけると思います。
「常陸大津の御船祭」がユネスコ無形文化遺産に登録


――貴協会の今後の方針を



北茨城市の観光は、秋の花園渓谷の紅葉、冬のあんこう鍋にフォーカスされがちですが、近年、夏に関東一涼しい街として注目が集まり、避暑地として北茨城市に観光にいらっしゃる方もいます。
そして、2025年12月11日には、「常陸大津の御船祭」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。日本で唯一の「木造和船の陸上渡御」という特徴を持つお祭り。5年に一度、北茨城市の大津港周辺で5月2日と3日の2日間に開催され、美しく飾り付けられた巨大な木造船に、みこしや宮司、はやし方などを乗せて陸上を曳航する様子は圧巻です。
ちなみに、ユネスコ登録後初となる次回祭礼は2029年を予定しています。このように北茨城市は注目を集め、四季折々を楽しむことができる点も再評価されつつあります。
一方、北茨城市は数多くの観光施設に恵まれ、魅力あふれた施設も豊富です。SNSなどでの情報発信を強化し、各イベントにも出展し、北茨城市をPRして幅広い世代に興味を持っていただき、実際に足を運んでいただくようつとめて参ります。
-1024x683.jpg)
-1024x683.jpg)



コメント