北海道枝幸町は、オホーツク海に面した枝幸地区と、四方を山に囲まれた歌登(うたのぼり)地区の2つのエリアから構成しています。
オホーツク海と山々の自然の美しさは訪れた方に感動をもたらすことでしょう。
映える撮影スポットも多数あり、詳細は記事内でご紹介いたします。今回は、枝幸町観光協会の重清志穂さんに枝幸町の観光の魅力についてお話をうかがいました。

枝幸町観光協会の
重清 志穂さん
北海道・宗谷管内最南端の町で山海の幸が豊か

――枝幸町の歴史と魅力からお願いします。
重清 志穂さん(以下、重清さん)枝幸町は平成の大合併(枝幸町と歌登町)で誕生しました。オホーツク海に面した枝幸地区と四方を山に囲まれた歌登地区からなり、山海の幸が豊かな町です。人口6,793人(2025年6月末時点)で面積は札幌市と同等で1,115㎡を擁しています。
雄大なオホーツク海の魅力と、広くのびやかな森林の恩恵など爽快感を体感できます。枝幸町には北海道でもっとも早く流氷が到来することで知られています。
一面に畳を敷き詰めたような岩が広がる


――次に枝幸町の観光スポットのご紹介も教えてください。



「ウスタイベ千畳岩」 「三笠山展望閣」「北見神威岬」「枝幸港」を紹介します。
ウスタイベ千畳岩は、千畳岩の名の通り一面に畳を敷きつめたような岩が広がっており、岩場に降り立つことも可能で、オホーツク海を間近に感じ、水平線から昇る朝陽は必見で、景勝地として名高いです。冬には純白の流氷原と奇岩の造形美を楽しめるのです。
また、7月上旬の「オホーツク枝幸うまいもん祭り」の会場としても有名です。夏はキャンプ場で賑わいを見せております。今、取材を受けている季節が夏ですが、ちょうどキャンプ場にキャンピングカーで訪れる方が多数いらっしゃいます。
夏の季節はオホーツクブルーとの言葉に代表されるように海の色が大変美しく、クルマかバイクで移動されるのは大変気分がいいと好評です。





オホーツク海を赤く染める朝日は他では見たことのない光景です。全体が岬状にオホーツク海に突き出したような地形となっており、海の音を聞きながら静かな時間を楽しめます。





訪れた際には是非、「ハート」を見つけてみてください。上記の写真のように潮の満ち引きによってハートのくぼみが出現します。見つけたら幸運が訪れるかもしれませんよ。
アクセス:枝幸郡枝幸町岬町
関連サイト:枝幸町観光協会 「ウスタイベ千畳岩」
https://esashi-kankou.com/play/usutaibesenjyoiwa/
市街地とオホーツク海の眺望を楽しめる展望閣





町内からクルマで10分ほど走らせると三笠山展望閣に到着。標高172mの三笠山の頂上に、展望閣があり、2階のカフェラウンジの喫茶スペースでは美味しいコーヒーが楽しめます。
2019年5月にリニューアルオープン。広大なオホーツク海をはじめとする、360度のパノラマは圧巻の光景です。





枝幸町にいらした際には、必ず寄って欲しい場所です。屋上にのぼると枝幸町内を一望でき、奥にはオホーツク海がどこまでも広がっていく光景は感動を与えるでしょう。





夜間はクローズになり入れませんが、夜には三笠山頂上を訪れると深青色のオホーツク海とともに、枝幸町ならではの満天の星空鑑賞は都会では体験できません。
オホーツク海に突き出す「北見神威岬」





最北の名勝「北見神威岬」は、浜頓別町と枝幸町にまたがるオホーツク海に突き出す岬で、そこから見える景色は、見渡す限りオホーツク海です。神威山の山据が海に迫る岩礁の岬で高山植物が豊富です。
1968(昭和43)年に「北オホーツク道立自然公園」の一部に指定。冬には真っ白な流氷で埋め尽くされる岬の姿は、その名の通り神秘的な表情をみせる景勝地です。
岬の全体を眺めることができるのは「北見神威岬公園」。北見神威岬とオホーツク海をゆっくり見ながら、公園から海岸線へと降りることができ、深青の海の風を肌で感じることができるスポットで、有名車メーカーのCM撮影にも使用されたこともある光景です。


アクセス:北海道枝幸郡枝幸町目梨泊
関連サイト:枝幸町観光協会 「北見神威岬」
https://esashi-kankou.com/play/kitamikamuimisaki/
重要な水産拠点の「枝幸港」





「枝幸港」は、オホーツク海北部に位置する地方港湾。歴史は、江戸時代の貞亭年間(1684~1686)に松前藩が直領の鮭漁場を開いたことによって始まり、以来、明治中期には1,400隻を超える漁船が集積した一大水産基地として発展をみました。オホーツク海を漁場とする水産拠点や背後地域への物資の輸送拠点などとして重要な役割を担ってきたのです。
近年はホタテ、カニ、鮭を主力とする水産拠点、及び海洋レジャー基地として利用され、カモメの唄を聴きながら船の往来を観察でき、港町ならではの活気あふれる漁船の姿を見られます。
アクセス:北海道枝幸郡枝幸町新港町
オホーツク海を眺めスキーを楽しめる「三笠山スキー場」


――スキーなどアクティビティ体験について



オホーツク海を見渡しながらの滑走を楽しめる枝幸町三笠山スキー場。タイミングがあえば、流氷を見ながら滑ることのできる北海道のスキー場の中でも珍しいゲレンデです。
距離の長い初級コースから斜度26度の上級コースとバラエティ豊か。流氷の季節は1月下旬から2月中旬です。
アクセス:北海道枝幸郡枝幸町北幸町7020−1
関連サイト:枝幸町観光協会 枝幸町三笠山スキー場
https://esashi-kankou.com/play/mikasayama-ski/
枝幸町の人気グルメスポット2選
――おススメのグルメスポットを教えてください。



「きたや」 「道の駅マリーンアイランド岡島」をご紹介します。まずは、きたやですが、枝幸町の魚介を使った料理をはじめ、寿司、定食、ラーメンなどメニューがとても豊富で老若男女問わず人気のお店です。





広々と奥行きのある店内。テーブル席・カウンター席・座敷席を用意、2階には団体様・宴会用のお座敷もあり、枝幸のソウルフード「チャーメン」が自慢の一品です。しょう油味と塩味があり、チャーメンは「枝幸ほたて」入りです。
昼夜ともに営業されていますので男女問わず、幅広い年代の方に愛されているお店です。店舗は町内の中でも大きめですから、宴会、バス団体のご旅行の昼食も対応され、枝幸町の毛ガニなどの魚介類も提供。テレビなどの取材対応もされています。
海の幸も楽しめ、すし職人が握る寿司も自慢の絶品です。


アクセス:枝幸町栄町469−1
関連サイト:枝幸町観光協会 㐂多や(きたや)
https://esashi-kankou.com/eat/kitaya/



国道238号に面した道の駅マリーンアイランド岡島(おかしま)は、船の形をしており、オホーツク海を眺めながら楽しめるレストラン&喫茶です。ホタテフライカレーや、ほたて貝柱入りのほたてラーメン、いくら丼など枝幸町らしいメニューを中心に、そば・うどん・ラーメン・セットメニューなど昼食にぴったりなラインナップ。是非お昼の休憩にご利用ください。





窓からはオホーツク海を眺めることができるので、景色も味わうことができます。各種情報案内と地場産品の直売所となっており、枝幸自慢の水産加工品や町の銘菓などを販売。レストランのほか、海産物コーナーもあります。
海産物コーナーは、枝幸町の毛がにや全国初のブランドのほたて「枝幸ほたて」などの海産物を中心に販売しています。


アクセス:枝幸町岡島1978番地13(国道238号沿い)
毛がに、ほたて、鮭の一大産地でふるさと納税でも人気に


――枝幸町の有名な海の幸は。



まず、枝幸の“三大魚種”は、毛がに、ほたて、鮭です。枝幸町では、専用の「カゴ」を用いる「かに籠漁」で毛がにを獲ります。この漁法では日本一の漁獲高です。毛ガニを中心とした、ホタテもオホーツク海に面していますので、高い漁獲高を誇ります。鮭も加えていずれも質に優れていますので“三大魚種”として推しています。
すべてに共通している点は冬には、オホーツク海には流氷がやってきますが、流氷により、良質なプランクトンを運んできます。オホーツク海の魚種に共通して言えますが、良質なプランクトンをエサにしているため、うま味や甘みについては他の海域よりも数値が高いのです。
枝幸町では、6月に入ると「ほたて漁」がスタート。オホーツク海の恵みをたっぷりと受け、4年をかけて大切に育てられた「枝幸ほたて」は、貝柱が肉厚で大きく、とても甘みがあり、栄養素も甘味成分グリコーゲン値が非常に高く、旨味も食感も抜群で最高の品です。





オホーツク海では、3月中旬になると、流氷が去る「海明け」を迎える際に、「毛がに漁」を開始。メスの毛がにや規定のサイズ以下は獲らないことで、「品質と資源を保つ漁法で日本有数の水揚げ量」を誇るのです。「枝幸毛がに」の特徴は、雑味が少なく濃厚な旨味がしっかりと感じられ、身はもちろんのことカニミソもたっぷりと詰まっている点が大きな特徴です。





鮭は、秋には枝幸町に回帰してきますので、「秋鮭漁」が始まるのです。旬の時期は、9月から11月。水揚げされた鮭は船倉の氷水につけて鮮度を保持し、市場から加工場までの距離も短いことから鮮度を落とすことなく出荷することができます。水揚げから加工までのスピード感が、枝幸町の鮭の鮮度維持につながっています。
また、幸いなことに枝幸町のふるさと納税については大変支持され、金額的には10億円を超えております。水産加工品を主な返礼品として据えておりますので、その点に魅力を感じられる方が多いのではないかと思います。
枝幸町観光協会も札幌市、旭川市などの都市部のイベントのほか、関東圏のふるさと納税イベントに出店し、知名度向上につとめています。
北海道のふるさと納税の返礼品は、元々海産物が多いのですが具体的にどの町を選ぶかは、悩まれる方が多い。その時に、枝幸町を選ばれるように知名度を少しでもアップしていきたいです。
夏の「オホーツク枝幸うまいもん祭り」


――イベントのご紹介については。



「オホーツク枝幸うまいもん祭り」は、枝幸町で50年以上にわたり親しまれた「枝幸かにまつり」を継承した一大イベントです。この季節は全国各地から大勢が訪れます。毛がにをはじめ、枝幸のうまいもんが楽しめます。
7月第1日曜日(前日土曜日は前夜祭)に開催。新鮮な枝幸の「幸」を存分に楽しめる特産品や味覚のテントが並びます。全国各地から大勢の観光客が訪れる枝幸の魅力たっぷりの2日間です。
枝幸町の水産加工会社、飲食店などの団体により約25店舗並びます。場所は先ほども申し上げた通り、「ウスタイベ千畳岩」。前日には花火大会を、本祭には歌謡ショーなども行い、枝幸町ならではの毛ガニの早食い競争も実施します。
2025年の「オホーツク枝幸うまいもん祭り」はおかげさまで天気に恵まれ、ご来場者数は2万6.000人で通常よりも多くのお客様にいらしていただきました。
秋のイベント「よくばりフェスタ」



次によくばりフェスタです。鮭漁まっ盛りの収穫の季節、特産のメジカを中心に、オホーツクの秋の旬を味あうイベント。今年の詳細なプログラムは決定していませんが、恒例では「秋鮭鍋」や「鮭ちゃんちゃん焼き」をふるまう美味満載の味覚コーナーをはじめ、プールいっぱいにある活ホタテを釣り上げる「ほたてキャッチャー」やホタテの早むき大会、魚介類、海産物の即売会を中心に収穫と食欲の秋を楽しむ1日を予定しています。秋のためホタテと鮭がメインのイベントです。
2025年での開催日は10月5日(日)、場所は、「道の駅マリーンアイランド岡島」特設会場です。




かつて存在したオホーツク文化とは!?


――オホーツク周辺における文化で特徴的なものは何かありますか。



オホーツク周辺にはアイヌ人・アイヌ文化とは異なるオホーツク人※が存在し、オホーツク文化を形成していたといわれています。枝幸町の「オホーツクミュージアムえさし」にはオホーツク海沿いに居住された方々の民族・歴史・文化を展示しています。
特に、オホーツク文化を今に伝える「目梨泊遺跡」の出土品(国指定重要文化財)をはじめとした先史時代の展示が大きな目玉です。
オホーツク人・・・3世紀から13世紀にかけてオホーツク海沿岸、主に北海道北海岸、樺太、南千島に栄えた海洋漁撈民族。
――観光と周辺の地方創生についてはどうお考えですか。



コロナ禍で観光業は落ち込みが著しかったですが、枝幸町も含め周辺の宗谷管内、オホーツクエリア、それぞれの町があらためて特産品推進やイベント開催など、観光に力を入れています。
北海道でもなかなか足を延ばすことが難しい道北エリアですが、そんな場所に「行ってみたい」「特産品を購入してみたい」という行動につながるよう、日々観光施策の磨き上げや、情報発信に努めています。
――最後に観光協会様の今後の方針を教えてください。



枝幸町は、“こころが結ぶ『森と海』優しさと活気あふれる北の理想郷”をキャッチフレーズにしています。
この言葉の通り、自然の恩恵を受けた特産品を中心に、町の自然風景、町の催しを通して『枝幸町』をたくさんの方に知っていただき、枝幸町とつながりを感じられる観光を目指していきます。


団体概要
| 団体名 | 枝幸町観光協会 |
| 住所 | 北海道枝幸郡枝幸町三笠町301-7 |
| TEL | 0163-62-1205 |
| 公式HP | https://esashi-kankou.com/ |
| 公式SNS | ・公式Facebook:https://www.facebook.com/esashikankou/ ・公式X:https://x.com/esashi_kankou/ ・公式Instagram:https://www.instagram.com/esashi_kankou/ ・公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC-VZA-ElwBtdwFF9Q5sMVXw |



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