【大分県・杵築市】歴史的な町並みが残る小京都と呼ばれ、和服での城下町の散策がよく似合う町と話題に

武家屋敷が残る杵築市内では着物散策が人気に。

杵築市は大分県の北東部に位置し別府湾に面した美しい海岸線と、北部と西部に広がる山地に 囲まれた自然豊かな地域です。大分空港からクルマで20分、大分市中心部から陸路で約35kmと アクセスしやすい場所にあります。

江戸時代には杵築藩の城下町として栄え、南北の高台にある武家屋敷群が谷間にある商人の町 を挟んだ凹凸の地形を活かした「サンドイッチ型城下町」として知られており、歴史的な町並みや 武家屋敷が残る、風情のある武家屋敷エリアは、国の重要伝統的建造物群保存地区の指定を受 けました。

杵築市では2009年に「きつき和服応援宣言」を行い、和服で歩きたい町を目指し、城下町の散策 が良く似合うと好評を博しています。

今回は、杵築市商工観光課の手島 和宣氏に市の観光の魅力などについて話をうかがいました。

杵築市商工観光課
手島 和宣氏

目次

江戸時代にタイムスリップ!? 風情のある城下町は武家と商家の屋敷が残る

杵築の町並み

――杵築市の魅力からお願いします。

手島 和宣氏(以下、手島氏)

杵築市は、大分県の国東半島南部に位置する、瀬戸内海の西端に面した地域です。2005(平成17)年10月1日に、旧杵築市、山香町、大田村が合併して誕生。古くから九州と本州・四国を結ぶ交通の要衝であり、その地理的重要性は現代まで変わっていません。江戸時代には城下町として栄え、現在も当時の面影を残す「サンドイッチ型城下町」の町並みが特徴です。

当時の姿をそのまま残しているため、江戸時代にタイムスリップしたかのような体験もできます。伝統的な神社や仏閣が数多く存在します。また、歴史ある城下町ならではの文化財も豊富なほか、「きつき城下町資料館」では藩政時代からの歴史資料を展示。奈多(なだ)海水浴場など、自然を楽しめるスポットもあり、海に面しているため、カキの養殖やハモ、ちりめんなどの水産業が盛んなため、グルメも魅力的です。

武家屋敷や石畳の坂は江戸時代を思わせる雰囲気・・・

上級武士の暮らしを垣間見る美しき家老宅・大原邸

――杵築城の城下町でもありますが、歴史的建造物も多いと思うのですが。

手島氏

多くの歴史的建造物が残されており、武家屋敷(大原邸、磯矢邸、一松邸、中根邸)、藩医だった佐野家、藩校の門や重光家※がその代表的な建築物です。

昭和外交史に大きな足跡を残し、杵築市にゆかりのある偉人の一人に数えられる重光葵(しげみつ・まもる)が幼少期に過ごした重光家の旧宅「無迹庵(むせきあん)」は、彼が蔵の2階で勉学に励んだ場所として知られ、現在は葵の遺品や写真などが展示されています。

重光 葵が少年時代を過ごし、勉学に励んだ重光家
重光 葵

名外務大臣・重光葵(しげみつ・まもる)と重光家・・・昭和の動乱期に外務大臣を務め、終戦後、アメリカ戦艦ミズーリ号船上で「ポツダム宣言」受諾の降伏文書に署名した。その後、戦後の国連加盟に大きな役割を果たす。

家老屋敷の隠居宅だった中根邸
手島氏

次に茅葺屋根の武家屋敷・中根邸もあり、ここは家老屋敷です。庭園、裏庭まで手入れされており、当時の暮らしぶりを風情たっぷりと感じさせてくれます。

法曹界や政界で戦前から戦後にかけて活躍した一松 定吉が居住した「一松邸」
手島氏

また、一松邸は、法曹界や政界で活躍された、一松 定吉※が住まわれた邸宅です。1957年にご自宅を杵築市に寄贈し、その後現在の場所に移築され「一松邸」として残っています。

検事時代の一松 定吉

※一松定吉・・・戦前から法曹界から政界へ転じた。鬼検事の異名を持ち、衆議院議員時代に議会で「大政翼賛会は憲法違反」と近衛文麿首相や東條英機陸軍大臣らを追及したことで知られる。翼賛選挙では、非推薦のため、苦労したが、見事当選を果たす。戦後は第1次吉田内閣の国務・逓信大臣、片山内閣の厚生大臣、芦田内閣の初代建設大臣、日本進歩党(現自由民主党)の幹事長などを歴任するなど活躍した。

きつき城下町資料館
手島氏

ここは、今はきつき城下町資料館も近接しているほか、川を挟むと杵築城も見え、天気が良ければ愛媛県も見えるいいロケーションです。

杵築城は海に面し、そこから南北に高台があり、その地域に武家屋敷が広がっているのですが、南北の高台を挟む谷間の地区に、商人の町が形成されてきました。

手島氏

杵築城は海に面し、そこから南北に高台があり、その地域に武家屋敷が広がっているのですが、南北の高台を挟む谷間の地区に、商人の町が形成されてきました。

「酢屋の坂」「塩屋の坂」は、ドラマや映画の舞台としても利用される

塩屋の坂
手島氏

北台の武家屋敷と商人の町を結ぶ、土塀と石垣が美しい石畳の「酢屋の坂」、その対面に位置する「塩屋の坂」は杵築の独特な地形を象徴しています。今もなお江戸時代の町並みが残り、映画やドラマのロケ地としても利用されています。

酢屋の坂

商人の町の代表「綾部味噌醸造元」

手島氏

北台の武家屋敷とつながる「酢屋の坂」の横に綾部味噌があり、味噌醸造としても創業1900(明治33)年という老舗で、築200年の店内では、伝統的な室蓋(むろぶた)法で製麹し、1年以上発酵・熟成させた手作りの天然醸造みそが販売されています。

綾部味噌
手島氏

杵築市北台南台※は2017(平成29)年11月に国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選定されました。理由は、江戸時代の武家屋敷の地割りが明確に保存されていることです。市としても屋根の改修では、瓦屋根を要請しています。重伝建地区されますと、昔のものを今後とも残していく必要があるのです。

杵築市北台南台伝統的建造物群保存地区

杵築城跡の一部は国や県の史跡に指定

杵築城
手島氏

戦後建築した模擬天守の内部は資料館。城跡のうち、麓の藩主御殿跡は大分県の史跡に、城郭があった台山地区と藩主御殿地区は国の史跡にそれぞれ指定されています。現在残っているのは一部の石垣などですが、城山公園として整備、市民の憩いの場となっています。

藩校の門
手島氏

杵築藩を統治した能見松平家は教育に力を入れ、江戸時代の藩校「学習館」を設立。武士だけではなく、平民の子弟も学ぶことが許され、三浦梅園※などが教鞭をとりました。

学習館で教鞭を執った偉大な思想家・三浦 梅園

三浦梅園・・・日本の江戸時代の思想家、自然哲学者。「天地万物はみな一つの根本から現れているもので、その現れ方には決まった条理(筋道)がある」という条理学を構築した。地球が丸いという事実を200年前から理解し、北半球が夏であれば、南半球が冬であることをかなり早い時期に見抜いていた。豊後三賢人の一人。

美しい白い砂浜と青い松が続く奈多海水浴場

景観が美しい奈多海水浴場

――奈多海水浴場の楽しみ方は。

手島氏

伊予灘に面した約2kmにわたる美しい砂浜の海水浴場です。特に景観が素晴らしく、「日本の白砂青松100選」や環境省の「快水浴場百選」にも選ばれています。松林と砂浜が2kmほど続く美しい光景が魅力です。

海岸のほぼ中央には729年創建とされる八幡奈多宮があり、奈多海水浴場の沖合約300mには離れ岩「市杵島(いきしま)」があり、その岩には鳥居が建てられ、大変神秘的な雰囲気を醸し出します。特に正月の初日の出を見に来られる方も多いです。

例年7月中旬から8月中旬まで利用可能で、売店やシャワー室といった施設も完備。周辺には、杵築城のほか、江戸時代創業の老舗茶屋で、杵築で唯一の国の登録有形文化財にも指定されている「お茶のとまや」の自家製の茶葉や落雁が人気です。

奈多海水浴場の沖合約300mには、離れ岩「市杵島」があり、島には鳥居がある。比売大神は、当初、この島に降臨したと伝えられている。
手島氏

ただ、日本全体に言えることですが、海で泳ぐレジャーのあり方は少なくなっている傾向があり、奈多海水浴場も例外ではありません。一方、白砂青松や神秘的な鳥居を見に来られる方もいらっしゃいます。

宇佐神宮と密接な関係がある「八幡奈多宮」

八幡奈多宮

――八幡奈多宮は全国に4万余社ある八幡社の総本宮である「宇佐神宮」と関連がありそうですが。

手島氏

2025年には宇佐神宮は1300年を迎え、多くのイベントを開催するとうかがっていますが、八幡奈多宮も2026年には1300年を迎えます。

伝承によると宇佐神宮の別宮として、729年(神亀6)年に宇佐神宮大宮司であった宇佐公基により創建されたといわれています。主祭神は、宇佐神宮と同じく比売大神、応神天皇、神功皇后です。

宇佐神宮の旧神体とされる木造僧形八幡神坐像と2躯の木造女神坐像の三神像を収蔵しており、これら三神像は国の重要文化財に指定されており、奈多八幡宮と宇佐神宮との関係は深いのです。

先ほど説明した市杵島は、奈多八幡宮の元宮とされています。比売大神は最初にこの市杵島に降臨したと伝えられており、一説によると宇佐神宮よりも奈多八幡宮の方が古い歴史を持つともいわれています。

巨大古墳の存在は杵築に大勢力の存在をうかがわせる

手前中央が御塔山古墳、後方矢印が小熊山古墳

――諸説ある話ですが、比売大神の正体は卑弥呼であり、宇佐神宮周辺に邪馬台国が存在したとの話もあるようですが。

手島氏

実は、杵築市狩宿には、前方後円墳「小熊山古墳」があり、大分県では最大級の規模を誇ります。全長は116.5m。古墳時代前期(3世紀後半から4世紀初頭)に造られたものです。

また、古墳時代中期(5世紀前半)ですが、小熊山古墳の南南西500mほどの場所に「御塔山古墳」もあり、両古墳とも2017年2月に国の史跡に指定。恐らくこの地域には、大きな古墳を造るほどの勢力が存在したことがうかがえます。

関連サイト

杵築市観光協会 その他の杵築

https://kit-suki.com/pages/40

住所
・大分県杵築市狩宿1496(小熊山古墳)
・大分県杵築市狩宿1717(御塔山古墳)

るるパークは通年、花の鑑賞を楽しめる

春にはネモフィラが咲き誇る(るるパーク)

――先ほど、杵築城や城下町をご説明いただきましたが、それ以外の観光スポットはどのようなものがありますでしょうか。

手島氏

山香町地域には、るるパーク(正式名称・大分農業文化公園)があり、広さ約120haの敷地を持つ公園で、「知る」「遊ぶ」「憩う」をテーマに様々な施設が複合的に整備されています。年間40万人の方が来訪されます。

夏や秋はコキア(るるパーク)
手島氏

5,000㎡もの広さがある「フラワーガーデン」では、花も美しく、春は、桜・ネモフィラ(大分県内で群を抜くネモフィラの名所)・アイスランドポピー、夏は、アジサイ・コキア、秋はコキア・ビッグベゴニア、冬は、サザンカ・ツバキ・梅で一年中花が楽しめます。

フラワーガーデンのほかにも体験農園や物産館、研修施設、ハーブガーデン、つばき園、果樹園、貸し農園、コテージ、オートキャンプ場、大型遊具など様々な施設が複合的に揃っています。

広大なリゾート施設・住吉浜リゾートパーク

住吉浜リゾートパークから天気が良ければ愛媛県が眺められる
手島氏

るるパーク近隣にもキャンプ場がありますが、一方、海側の住吉浜リゾートパークもビーチを眺めながらキャンプが楽しめる「野遊び浜キャンプ場」を整備。ここは、広大なリゾート施設で、2万本の松林と水質AAランクの美しい海に囲まれた40万㎡の半島に位置し、自然豊かな環境が特徴です。ここからは天気が良ければ愛媛県を眺めることもできます。

横岳自然公園では天体観測や多様なアウトドア体験も

横岳自然公園ではログハウス6棟、キャンプ場も整備
手島氏

また、大田エリアには、標高約380mの横岳山頂に広がる自然公園「横岳自然公園」があり、様々な施設があり、多様なアウトドア体験が可能です。宿泊では、管理棟である「横岳荘」、ログハウスも6棟あるほか、キャンプ場も整備しています。

横岳自然公園からの夕焼けはとても美しい
手島氏

また、こちらには本格的な天体観測施設として「よこだけキララ館」があります。施設には200mmの屈折望遠鏡が備えられており、四季折々の夜空を楽しむことができます。ほかにも、鹿公園、ジャンボ滑り台、展望台のあるアスレチック場、バーベキュー施設のほか設備の充実した野外キャンプ場、人工芝テニスコートや火山岩が露出した珍しい巨石探検道があり、横岳の本来の姿を楽しめます。

ドローンを活用した観光促進

ドローンを使って杵築ならではの記念写真も

――ドローンなどいろいろな体験も可能とうかがいましたが。

手島氏

国土交通省認定機関のインストラクターが指導するドローン操縦体験が可能です。ドローン専用のゴーグルを装着して、鳥の目線で風景を楽しんだり、ドローンが撮影している映像をリアルタイムで視聴する体験もできます。

地域商社の株式会社きっとすきは、観光・教育・福祉分野でドローン活用を行っています。杵築市観光協会と協力して、「きつき空飛ぶ観光協会」を立ち上げ、ドローンを使った、杵築市内の風光明媚なロケーションを思う存分撮影され、また杵築城天守にてドローンにて撮影された動画のお持ち帰るメモリアルドローン、ドローンカメラと連動した専用ゴーグルを装着して高低差のある武家屋敷を鳥の目線で俯瞰的に見ていただくドローンVR散歩などの取組みを展開中です。

教育体験プログラムでは、楽しみながらゲーム感覚で遊びを交えながらプログラミングを勉強することを目的に、都市部ではなかなか飛ばすことができない、触れる機会が少ないドローンを体験できます。

「きものが似合う歴史的町並み」に認定

着物でまち歩き

――小京都と呼ばれる杵築市では、2009年に「きつき和服応援宣言」を行いましたが。

手島氏

和服で歩きたい町を目指して宣言されたもので、市が実行したユニークな試みとして全国で初めて「きものが似合う歴史的町並み」に認定されました。

この宣言の一環として、杵築市では着物を着用して町歩きを楽しむことができます。特に、着物姿で市内の公共観光文化施設を訪れると、入館料がすべて無料になるという特典があります。また、市内の協力店では食事の割引などのサービスも受けられます。

レンタルきもの和楽庵では350種類の着物を取りそろえる
手島氏

「レンタルきもの和楽庵(わらくあん)」は、約350種類の着物を取り揃え、着付けサービスも提供している着物レンタル店です。男性用や子ども用の着物も用意、ご家族みなさまで楽しむことができます。

城下町の風情が残る杵築市では、着物での散策がとても似合います。杵築城や武家屋敷などの公共観光文化施設に無料で入館できます。ほか武家屋敷での抹茶体験、古民家での華道体験もできます。

手島氏

城下町の風情が残る杵築市では、着物での散策がとても似合います。杵築城や武家屋敷などの公共観光文化施設に無料で入館できます。ほか武家屋敷での抹茶体験、古民家での華道体験もできます。

杵築市は、着物姿で町を散策すると、地元の人々との交流の機会も生まれる
手島氏

NPO法人「きものを着る習慣をつくる協議会」から、同年2009年に「きものが似合う歴史的町並み」に認定も受け、着物姿で町を散策すると、地元の人々との交流の機会も生まれると好評です。

杵築市としては、風情ある城下町を是非、和服で散策して欲しいとの願いを込めた宣言と言えます。

また、毎月第3土曜には、「きもの感謝祭 in 小京都きつき」と題し、プロカメラマンの撮影による写真のプレゼントなどの特典があり、留学生も参加するなどの人気イベントとなっています。

様々な泉質に恵まれる山香温泉 風の郷が好評

山香温泉 風の郷の温泉

――お宿はどのような特徴があるのでしょうか。

手島氏

温泉旅館「山香温泉 風の郷」があり、2024年3月にリニューアルオープン。おんせん県おおいた屈指の濃い泉質でいろいろな成分が入っています。つるつるしっとりとした肌触りが楽しめると評判です。宿泊だけでなく、日帰りでの利用も可能です。

是非、こちらの施設のご利用も楽しんで頂ければと思います。

杵築市は大分県有数のカキの産地で味が濃厚

杵築市はカキが人気

――グルメとしての杵築市はいかがでしょうか。

手島氏

杵築市は大分県内でも有数のカキの産地です。守江湾で養殖されていますが、ここは、海中の栄養分が豊富で、カキの成長に適した環境です。守江湾で養殖されるカキは、通常2~3年かかる出荷サイズまで約1年で成長するという特徴があります。身が大きく、火を通しても縮みにくく、味が濃厚なのが魅力です。

守江湾沿いを走る国道213号線は「杵築カキ町道」との別称があり、冬のシーズン (11月から2月頃)には新鮮なカキを提供するカキ小屋や飲食店が立ち並びます。

店舗では「魚市魚座」は、特に地元で採れた新鮮な魚介類を自慢としており、海の恵みを提供しています。いけすで泳ぐ活きのいい車海老を使った海鮮丼や、網焼きコースなどがありますが、シーズンに入るとカキ料理が人気です。

手島氏

女性向けの店舗では魚市魚座のすぐ隣に「KITSUKI TERRACE」という海鮮系BBQの店があります。守江湾を一望できるモダンでおしゃれな施設。杵築産のカキのほかにも「国東産カキ」や「中津ひがた美人」、「大入島オイスター」など、その日の仕入れ状況に応じて様々なカキや海産物を楽しめます。

手島氏

海浜夢公園に隣接する場所に位置する「Oyster Restaurant 海の時間」は、海沿いの開放的なロケーション。新鮮な牡蠣や海鮮バーベキュー、ピッツァ、パスタなどのイタリアン料理、さらにはグランピングも楽しめる施設です。

珍しい虎魚(オコゼ)料理を杵築百年旅館 日向屋で味わう

リピーターも多い虎魚料理
手島氏

もう一つは、珍しいですが虎魚(オコゼ)料理です。特に、「杵築百年旅館 日向屋(ひゅうがや)」が提供するオコゼがよく知られていますが、日向屋は、大正5年創業の歴史ある旅館で、先代から受け継がれたオコゼ料理が自慢です。オコゼは「フグをも超える」と評価されるほどの旨味があり、身のプリプリとした弾力とゼラチン質の皮が特徴です。

世界が認めた 中野酒造の美酒

杵築市の酒蔵・中野酒造

――地酒を好まれる方もいますが、杵築市ではどのような酒蔵があるか教えていただけますでしょうか。

手島氏

杵築市内には中野酒造という酒蔵が一軒ございます。1874(明治7)年創業の老舗酒蔵です。代表銘柄は「智恵美人(ちえびじん)」で、初代女将の「智恵」さんの名前にちなんで名付けたのです。

少し前の話になりますが、フランス人が選ぶクラマスター2018※で最高賞であるプレジデント賞を受賞しました。特徴は、地下200mから湧き出る「六郷満山の御霊水」を仕込み水に使用している点です。この良質でミネラル豊富な天然水と、主に地元産の原料を使用し、地産地消の酒造りに取組んでいます。味わいは、円やかな口当たりで、甘味も旨味もしっかりと感じられ、酸が活きた酒質で多くのファンがおります。

是非、時代を超えたような特別なひとときを、杵築で体験されてみてはいかがでしょうか。

家賃の安さ、コンパクトシティの利便性でリタイアの聖地に

杵築市は住みやすくアクセスでは空港や大分市から近接し、好立地

――話は変わりますが、杵築市はFIRE(経済的自立と早期リタイア)の地として注目され、移住されている方も増えているとか。

手島氏

かつて杵築市には、メーカーが工場を多く建設し、派遣労働者向けに多くのアパートが供給された時代がありました。しかし、リーマン・ショックや工場の閉鎖により、派遣労働者が杵築市を離れ、アパートの空室が目立ち、その結果、1Kアパートが月1万円と安価で借りられるようになりました。

杵築市は、コンパクトシティで市内には大型スーパー、ドラッグストア、飲食店などが揃い、行政機関や病院など生活インフラも充実。新鮮で安価な地元産食材が手に入ることも魅力で生活しやすい地域であることが知られたのが原因だと思います。

それ以外にも、杵築市は、先ほど説明したように歴史文化に触れられ、市内中心部から大分空港まで車で約20分という好立地も魅力の一つです。

――観光と周辺の地域創生についてはいかがですか。

手島氏

大分県全体が人口減少が続き、杵築市も例外ではありません。それでも別府や湯布院などの観光地・主要温泉地域は、インバウンドの取り込みを図り、観光客を増やしています。

そこで杵築市は別府からも30分で来られる地域ですし、先ほどの説明の通り、大分空港からも20分という好立地なため、よりPRを強化したいです。幸い、説明した通り、魅力的な観光地や体験コーナーもございますので観光客をより多く誘導していきたいです。

杵築ふるさと産業館

会社概要

団体名一般社団法人杵築市観光協会
住所大分県杵築市杵築665-172(杵築ふるさと産業館内)
公式HPhttps://kit-suki.com/
公式SNShttps://www.facebook.com/kitsukisanpoproject(杵築散歩プロジェクト)
https://www.instagram.com/kitsuki.sanpo.project/
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次