「この先もずっと使い続けたい」というお気に入りの器やカップをお持ちですか?
器との出会いは一期一会です。
今はパソコンやスマートフォンから簡単に欲しい物が購入できてしまう時代ですが、器やカップは、実際に手に持ってみないと、手触りや重さは分からないもの。
自分との相性って大事だと思うのです。
1.やちむんに琉球ガラスが溶け込んだ神秘的な器
今回ご紹介する「datta(ダッタ)」は、陶芸作家がひとつひとつ丁寧につくる陶器ブランド。
きっとあなたのお気に入りに出会えるはずです。
「datta(ダッタ)」はサンスクリット語で「贈り物」。
陶芸家の大岩 浩章さんは、誕生日や結婚式、退職などのお祝いごとや内祝いで“大切な人に思いが伝わる”ギフトを提案し、贈る人も贈られる人も幸せになれる焼き物を作陶します。
例えば“果報と幸運が満ち溢れるように”という思いで製作する「夢かふう」シリーズ。
「やちむんに琉球ガラスを溶かし込んだ「夢かふう」が誕生したきっかけは、自分たちの結婚式の引き出物で作ったことでした」と大岩さん。
風に揺られ、水面がキラキラ輝く潮溜まりの幻想的な美しさをデザインしました。
2.ギフトにもぴったり!縁起の良いやちむん
可愛らしい絵付けが施された「縁起の良いアート珊瑚」シリーズも人気です。
「初めて沖縄の海に潜った時、色とりどりの魚や珊瑚を見てものすごく感動したんです。美しい沖縄の海を閉じ込めたいと思い、その時の感動を器で表現しました」と奥様の徳子さん。
ひとつひとつ手作りするため、すべては一点もの。
同じデザインの器でも、絵柄や色合いは微妙に異なります。
ある陶芸家との出会いで陶芸の道に興味を持ったという大岩さん。
「工房見学をした翌日からその工房に通い始めました。誰からも頼まれてもいないのに、です(笑)。ずっと通っていたら、親方がようやく声をかけてくださって…その工房では5年間修行させてもらいました」
その後、いくつかの偶然やタイミング、縁が重なって沖縄県壺屋焼物窯元「育陶園」へ。
8年修行をした後に独立をしました。
3.気分によって表情が異なるシーサー
そんな大岩さんは器だけでなく、沖縄の守り神=シーサーも作ります。
「自分の心を映し出すと信じているので“我を出さないように”製作しています」と話す大岩さんが生み出したシーサーは「(持ち主の)その時の気分や感情に応じて表情が異なって見える」と言われています。
やちむんは窯の中で高温焼成して完成するため、作品の形状が崩れたり歪んだりしてしまい「思った通りに焼き上がらなかった」ということも多いのだそう。
つまり、店頭に並ぶ作品は偶然の賜物でもあるのです。
そんな奇跡と大岩さんの思いとで出来上がった「datta(ダッタ)」の作品を、実際に手にとって見てみてください。
Photo &text:舘 幸子
(取材:2023年6月)
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