噛みしめるほどに旨みがじんわりと広がる天然酵母パン。
最近では自宅で天然酵母づくりから挑戦する方も増えているそうですが、手間と時間がかかるため、初心者にはなかなかハードルが高いかもしれません。
1.20年かけ継いだ天然酵母で作る天然酵母パン
そんな天然酵母パンが購入できるパン屋さんが沖縄には点在していますが、その中の1軒が、読谷村の座喜味城跡の近くにお店を構える「パン屋水円(すいえん)」です。
沖縄における“天然酵母パン”の先駆けとなった宗像堂(むなかたどう)で修行を積んだ森下 想一さんと、奥様の香さんが2010年にオープンさせたパン屋水円。
営業日は木曜から日曜の週4日で、いつもオープンと同時にお客様が集まります。
全粒粉の食パン、ライ麦の大きなパン、大宜味村無農薬ジンジャーとくるみのパン、伊平屋島黒糖チーズ、伊江島ラム酒 ラムレーズンとくるみのパン、島バナナとココナッツのパン、ドラゴンフルーツあんぱん…など、店頭に並ぶパンは20種類ほど。
読谷村の無農薬の紅芋や玄米、黒糖などで約20年かけ継いだ天然酵母で作り、石窯で焼くパンは、どっしり、もっちり。
バターや牛乳、卵は使わず、生地は小麦粉、天然酵母、水と少しの海塩で作るシンプルなパンは、素材の風味がしっかりと感じられる仕上がりになっています。
2.アレルギー持ちでも食べられる大人気のシナモンロール
ずっしりとした重みを感じられるシナモンロールは、水円の人気パンのひとつです。
一般的なレシピでは牛乳やバター、卵を使いますが、水円ではそれらを使わず「アレルギー持ちでも安心して食べられる」と大好評。
ムチッ、しっとり。シナモンの香りとジャリッとした食感がクセになるシナモンロールは、焼き上がり店頭に並ぶと同時に次々と売れていくので、どうぞお早めに。
3.心に沁みるスープランチ
テイクアウトだけでなく、イートインもできるパン屋水円。
木曜と日曜は「Today's SOUP plate」が、金曜と土曜には「マンチカン」の南インドカレーが味わえます。
旬の素材をふんだんに使ったToday's SOUP plateは2種類あり「ごぼうのポタージュとプカプカのハムとゴーダチーズのパン」をいただくことに。
ひと口ごとに身体と心にじんわりと沁みる、癒しのランチプレートでした。
見た目は派手ではないけれど、記憶に深く残るパン屋水円のパン。
沖縄滞在中にぜひ味わってみてください。
Photo &text:舘 幸子
(取材 2023年12月)
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