「県民の台所」として知られたかつての農連市場や、農連市場移転の地として建設されたのうれんプラザが近い太平通り商店街は、今なお昔ながらの商店街ムードが漂っています。
そんな太平通り商店街に2023年9月7日、島の恵みを浴びたひんやりスイーツのお店、黒糖ぜんざい専門店「ホシのシズク」がオープンしました。
1.かき氷と沖縄ぜんざいのハイブリット!贅沢な進化版ぜんざい
ディープな通りに佇む洗練された外観はとても存在感があり、プレオープンの頃から「何のお店?」「新しいのができたねぇ」と、のぞき込む人がちらほら。
のれんにはシンプルないちごのかき氷のようなイラストが描かれていますが、実はこの絵、ぜんざいです。
沖縄のぜんざいは、黒糖や砂糖で甘く煮た金時豆にかき氷を乗せたものが一般的。
黒糖ぜんざい専門店のホシのシズクでは、素材にこだわった4種類のぜんざいとクリームソーダを提供しています。
基本的に沖縄ぜんざいにはシロップはかかっておらず、氷の奥にある金時豆と黒糖の汁をほじりながら食べるのがオーソドックス。
ですがホシのシズクのぜんざいは、かき氷のように手作りソースをふんだんにのせ、その上にエスプーマをのせ、さらに氷の中にシロップと生クリームを入れた、いわばぜんざいとかき氷のハイブリットです。
2.島のめぐみをふんだんに使った贅沢な1杯
かき氷のソースは、石垣島の乳牛を使った「石垣乳牛の黒糖ミルクぜんざい」や、沖縄らしさ全開の「ドラゴンフルーツの黒糖ぜんざい」など、気になるラインナップですが、はじめて行くならまずは看板商品「島いちご黒糖ぜんざい」(1650円)をぜひ。
島いちご黒糖ぜんざいは、大宜味村の美ら島ベリーを贅沢に15粒も使ったソースと、石垣乳牛のミルクを使った手づくり練乳をたっぷりとかけた自慢の一杯。
まるでいちごを食べているような果実感たっぷりないちごソースと、ふわふわかき氷の相性は抜群!
中の生クリームといちご、白玉を同時に口に含むと、まるでいちご大福を食べているような多幸感が口いっぱいに広がります。
奥までスプーンを入れていくと、甘く煮込んだ北海道産の金時豆のほくほく感といちごの酸味、氷のふわふわが絶妙に絡み合い、最後まで飽きさせません。
ぜんざいのお供に、沖縄らしいホットさんぴん茶付き。
いきおいに任せて食べる合間にほっとひと息お茶をすすり、そしてまたスプーンが止まらない。
その連続で、あっという間に完食してしまうのです。
ちょっと休憩したいけどぜんざいは食べきれる自信がない、という方はクリームソーダを。
4種類のクリームソーダはそれぞれ「天空」や「渚」など沖縄の景色を表現しています。
沖縄の好きな景色に思いを馳せながらドリンクタイムを満喫しましょう。
3.和と沖縄の手しごとが融合した上品な空間
店内は和を感じるしつらえになっていますが、よく見ると沖縄の作家さんが作った小物や器がずらり。
和に偏りすぎず、だけど控えめな上品さがあり、新しい沖縄の魅力を感じさせます。
ぜんざいの新しさともリンクしているような。
数は少ないですが、一目で沖縄らしさを感じる器もあり。
アイスコーヒーを提供する際はこちらを使うのだとか。
奥のテーブルには、のれんに描かれていた絵が飾られています。
実はこちら、看板商品をイラストレーターさんに特注したオリジナルのもの。
絵をバックに記念撮影もおすすめですよ。
店内の雰囲気を楽しみながら、ふとのれんの下に目をやると、行きかう人々の足並みや会話、暮らしのスピード感がぼんやりと伝わり、沖縄に住む人たちの日常をのぞき込んだような不思議な気分になりました。
のれん一枚を隔てて、洗練された空間と雑多な日常が絡み合うおもしろさ。
そんな楽しみ方も楽しいかもしれません。
ぜんざい到着後は、おいしさのあまりそれどころではなくなりますが。
Photo&text:三好 優実
(取材:2023年9月)
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