2023年5月、沖縄市泡瀬にオープンしたcafe hug food works(カフェ ハグ フード ワークス)。
動物性食品を一切使わないヴィーガンランチプレートが味わえるカフェです。
「誰も否定しないヴィーガン」を掲げるこの店で提供される料理は、知らずに食べるとまったく気付かないほどお肉感がたっぷりで、食べ応え抜群。
ヴィーガンの方はもちろん、そうじゃない方も楽しめるcafe hug food worksの魅力を、3つのポイントに分けてご紹介します。
1.彩りゆたかな一皿を。”気分替わり”のヴィーガンランチ
cafe hug food worksがあるのは、キッチンリフォーム専門店Cook Homeの建物内。
日当たりのいい空間にキッチンがならび、その空間の一部のようにお店が佇んでいます。
ここで提供するランチはプレート一択。 なるべく地産地消にこだわりたい想いから、プレートの中身は食材や気分に合わせて”気分替わり”で変化します。
プレートのルールは、ヴィーガンであることと白砂糖を使わないこと。
その上で心掛けていることがあるそうで、それは「THE野菜」にならないようカラフルな彩りにすることと、それぞれにおいしく味付けをすること、ボリューミーであることです。
2.目指すのは「普段お肉を食べる人も満足できる味」
ヴィーガンのお店には珍しいその心掛けの根源には「普段お肉を食べる人も満足できる味」を目指したいという想いがあります。
「私がやりたいのは誰も否定しないヴィーガン。だからラテには牛乳も選択できるし、普段お肉を食べている人も満足できるような、食べ応えのある料理を心掛けています」とオーナーの藤原 沙耶さんは話します。
沙耶さん自身、昔から動物が大好きなのにお肉も魚も食べるという矛盾に違和感がありながら、長い間目を逸らしてきたのだそう。
変わったのは、と殺場へ向かう豚がトラックから見える雨を楽しんでいる動画を目にしたことがきっかけでした。
「こんなにも心があるのに、目を背けるのはしんどいなと思いました」と、ヴィーガンとして生きる道を選択。
そうして最初は完全なるヴィーガンを実施していましたが、ヴィーガンを頑張れば頑張るほど、別の葛藤が生まれたのです。
それは「今生きている社会で、肉食文化を完璧に世界から排除することは不可能」という現実でした。
現実と向き合った結果、「ヴィーガンの人も、そうじゃない人もまずは手を取り合わないと、世界は変わらない」という思考に行きつき、その結果「押し付けないヴィーガン」というスタイルをとることに決めました。
3.誰も否定しない。みんながハグできる場づくりを
それからは、とっつきやすいヴィーガンを模索。
ヴィーガンじゃない人も満足できる料理を目指し、お肉を使わずに深みを出すことや、野菜のおいしさを引き出す味付けなど、様々な試行錯誤の末にひとつひとつ完成させました。
「ゼロか百かではなく、どちらとも仲良くしてお互いがお互いを尊重できる場づくりをしていきたい」と沙耶さんは話します。
「肉食の人にとってヴィーガンのきっかけになればいいし、ならなくてもいい。ヴィーガンは関係なく、うちのごはんを食べるために来てもいい。ヴィーガンもそうじゃない人も、みんながハグできるようなスペースにしたいなと思います」
その想いを反映し、お店のロゴは飼い猫と沙耶さんのハグシーン。
ちなみにお店の売上は、一部を保護猫団体への寄附にあてています。
「私の生き方のコンセプトは『地球を楽しむ』です。楽しむためには健康が必要なので、なるべく身体にやさしいごはんを食べる。だけどたまにはコーラを飲むし、ポテトも食べる。だってコーラやポテトはきっと地球にしかない食べものだから。楽しみながら、愛を回していける、そんなお店にしていきたいです」。
今後はヒーリングやヨガなどもお店を通じて行っていく予定。
沖縄旅の途中、おいしいヴィーガンを食べに、沙耶さんに会いに、地球を楽しむ心を補充しに、立ち寄ってみてはいかがでしょう。
Photo&text:三好 優実
(取材:2023年8月)
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