BLUE SEAL(ブルーシール)牧港本店

BLUE SEAL(ブルーシール)牧港本店

1年を通して高温多湿の日が多い沖縄。ドライブや観光途中、目に入った瞬間吸い寄せられるように入ってしまうのが、沖縄を代表するアイスクリーム店「BLUE SEAL(ブルーシール)」。

アメリカ生まれ・沖縄育ちのブルーシールアイスクリームの本店ができたのは1963年。長い間、沖縄県民に愛され続け、県内各地はもちろん今や県外にも店舗展開を果たし、県内外で愛されるようになりました。

今回は、長年にわたり愛され続けてきた秘訣や、気になるブルーシールの歴史、沖縄県民と観光客とで異なるという人気フレーバーなどを取材してきました。

※改築のため現在一時休業中。2024年7月に新装オープン予定となります。

1.見ただけで涼しくなるような、青々とした外観が目印の「ブルーシール」

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[写真提供:ブルーシール(ブルーシール牧港本店外観)]

遠目に看板を見ただけで涼しくなるような、濃い目のブルーを基調としたアメリカンな色合いが特徴のブルーシール。アメリカ生まれ・沖縄育ちといわれるブルーシールは、1948年に米軍基地の中で、乳製品を供給する工場としてスタートしました。

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(当時の写真が貼られた壁紙は、フォトスポットとしても人気。)

当時は米軍基地内限定で販売していましたが、1963年に米軍基地から浦添市牧港(現本店)へと拠点を移し、そこでアイスクリームの販売をスタート。当時は家庭用の冷凍庫がなかったため、アイスクリームは「店に足を運ばなければ食べられないもの」として重宝されていたそうです。

ここでしか味わえないプレミア感と、沖縄の気候にぴったりな味わいを持つブルーシールアイスクリームは、当時かなり高価だったにも関わらず、お客が絶えなかったといいます。子どもへのご褒美にも活用されており、「歯医者に行ったご褒美に、アイスクリーム」という人もいたのだとか。

その後徐々に店舗を増やし、現在は直営店10店舗、フランチャイズ店10店舗と全国各地でブルーシールのアイスクリームが食べられるようになりました。(2019年11月時点)

▼店舗一覧はこちら

Cafe Info | ブルーシール
Cafe Info | ブルーシール ブルーシールの店舗情報ページ。営業時間や取扱いメニューをご確認いただけます。

2.長年愛され続ける秘密はオリジナルレシピ。

ブルーシールの魅力を広報担当・金城さんに聞いてきました

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(広報の金城さんと、牧港本店のマスコットキャラクター「ジョニーさん」)

今や県内外の方から人気を誇るブルーシール。筆者の知人にも「沖縄に来たら、絶対にブルーシールのさとうきび味を食べないと帰れないんだよね~」という人がいるほどです。

確かに沖縄の気候にぴったりなさっぱりした味わい。長い間守り続けてきた味には、何か特別な製法があるのでしょうか?広報担当の金城さんに尋ねてみました。

金城さん「美味しさの秘密は”オレンジブック”にあります。」

― オレンジブック??とは何でしょうか?

金城さん「アメリカ生まれのオリジナルレシピが、100種類以上も綴られたレシピブックです。秘伝のレシピは沖縄が本社になった今もなお英語表記で、翻訳本が出されていないので解読がとても困難です。それでも、困難を乗り越えてでも解読します。このレシピがベースじゃないと、ブルーシールの味は出せないんですよ。」

沖縄の高温多湿な気候に合ったさっぱりした風味と口当たりの軽さ、植物性油脂を仕立てた口どけの良さなど、ブルーシールならではの味わいは、この「オレンジブック」をベースに、アレンジして生み出されたもの。このレシピがベースにないと生み出せない味なのだと言います。

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金城さん「現在もなお、何十年も昔のオレンジレシピをベースとして新商品の開発を繰り返しています。ブルーシールでは毎月シーズンフレーバーも販売されるんですが、開発メンバーが試行錯誤を繰り返し、社内に提案し、数ある試験を乗り越えてやっと、新商品が販売されています。」

ブルーシールでは、頻繁に新商品を発売しているように見えて、実はひとつの商品が世に出るまでとても時間をかけているのだといいます。

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(こんなに種類が多くて魅力的な季節限定フレーバーまであるのに・・?)

30種類以上もあるフレーバーは、試行錯誤と研究によって開発されたものなんですね。ひとつひとつ時間をかけて開発されたフレーバーの数々。1番人気を聞いてみると「沖縄県民と観光客では、人気のフレーバーが違うんです」という答えが。それぞれ「沖縄県民」「観光客」に人気のフレーバーは以下だそうです。

【県民に人気のフレーバー】

ウベ(※)/ミント/バニラ&クッキー/シーズンフレーバー

※ウベとはフィリピン語でだいじょ(紅山芋)のこと。紅イモよりも鮮やかで粘りがあり、まろやかな風味が特徴。

【観光客に人気のフレーバー】

ブルーウエーブ/紅イモ/塩ちんすこう

― ほんとに全然違う!同じ紅イモなのに、県民は「ウベ」で観光客には「紅イモ」が人気というのが面白いですね。

金城さん「そうですね。ウベの濃厚さは県民にとって親しみのある味なんですが、県外の人が見ると写真映えする色合いではないですし、ウベ自体が”メジャーな沖縄グルメ”というわけでもないので、結果こうなった感じですね。逆に観光で来られる方からは、写真映えするものや沖縄らしい定番フレーバーが人気。それぞれ好みにも”らしさ”が表れていて面白いですよ。」

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(「私もウベが好きです。」と話す沖縄出身の金城さん)

実はもともと、アメリカの味覚に合わせて濃厚なフレーバーが多かったのだそう。2000年に開催された沖縄サミットをきっかけに、紅イモなどの沖縄県産フレーバーが誕生したのだそうです。

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(確かに、観光客に1番人気のブルーウエーブはかなりインスタ映えしそう)

やっぱりインスタ映えを狙いたい、けど県民の好みも知りたいという方は、「1度目の沖縄」「2度目の沖縄」「3度目の沖縄」で選ぶフレーバーを変えてみてはいかがでしょうか?どんどん沖縄ツウになっていく感覚と、それぞれのフレーバーを楽しむことができますよ。

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(何度訪れても迷ってしまうほど種類が豊富なので、挑戦しがいがあります。)

― ちなみに、サイドメニューでおすすめはありますか?

金城さん「あまり知られていないんですけど、実は『ブルーシールバーガー』は密かに人気が高い商品なんです。」

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(かなりボリューミーな「ブルーシールバーガー」。このサイズで670円とお得)

バーガーはなんと、バンズもパティも手作り。ボリューミーでふかふかのバンズと濃い目のパティ、ぎっしりと詰まった野菜は、満足度大!これは私、通ってしまうかもしれません。

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(パティの上にベーコンがひっそりと忍んでいて、ご褒美感あり!)

バーガー以外にも、ホットドッグやドーナツの生地もすべて手作り!これはますます通いたくなってしまいます。

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「甘いものが大好き!」という人には、巨大パフェ「ビッグマウンテン」もあるので、ぜひチャレンジしてみては。

[写真提供:ブルーシール(ビッグマウンテン)]

また、味やメニューだけでなく、店舗も地域によって工夫されています。例えば豊崎店は、ビーチも近く観光客も多く訪れることから、南国感を感じられる内装に。

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[写真提供:ブルーシール(ブルーシール豊崎店)]

浦添市にある牧港本店は、ブルーシールアイスクリーム1号店ということで、創業当初の1970年代をイメージした内装となっています。

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カウンターには牧港本店限定のマスコットキャラクター「ジョニーさん」が毎日ここに座っています。記念撮影する方も多いそう。筆者も、友人とジョニーさんの記念写真を撮ってみました。

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いい感じです。ぜひ皆さんも「ジョニーさん」と肩を並べて、アイスクリームやバーガーを味わってくださいね。

また、アメリカ発祥のお店だけあって、ドル札を円に変えてくれる「SMART EXCHANGE」も設置されているのも珍しいポイント。

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持ち帰り用のアイスクリームも販売されているので、お土産にもぴったりです。

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内装もかわいらしく、フレーバーやメニューも豊富、そして何より沖縄の気候にぴったりな口あたりは、沖縄を訪れた方にぜひ味わって欲しいグルメ。店舗でジョニーさんと一緒に食べても良し、ドライブのおやつにテイクアウトしても良し、お土産に購入しても良し。好みの「沖縄×ブルーシール」の楽しみ方を見つけてくださいね。

Photo&text:三好 優実

(取材:2019年12月)

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